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カメラの話 番外その1(防水カメラ)

 さて。

 

 私は西日本地域に住んでおりますが、本日は台風の影響が著しく、雨がたたきつけるように降っている上に、窓を閉めているはずなのにカーテンが絶えず動くほどの風が吹いております。本日はこのような状況であるため、「カメラの話 番外その1」を思いつくまま書いていきます。

 

 カメラというものはそもそも、デジタルカメラも含めて精密機器ですので、水がかかると壊れてしまう繊細なものです。しかし、そんな中でも撮影が必要となる状況はありえます。そのような過酷な環境に耐えられるカメラをご紹介いたします。

 

 防塵・防滴機能を持っているカメラは、先駆者は1980年発売の旭光学製ペンタックスLXが思いつきますが、デジタルカメラの時代になっても、プロ用機に防塵・防滴程度の雨をしのぐ能力を有する物はたくさんあります。

 しかし、水深100mまで潜れるカメラって、たぶん、デジタルカメラにはないはずです。その名は、ニコンニコノスRS。唯一のレンズ交換式一眼レフタイプの水中カメラです。このカメラであれば、どんな嵐の中でも大丈夫。欠点は、2kgを超える重量、定価で40万円近い金額(ボディのみ)、兵器利用が懸念されるための輸出制限(らしい)があること。電池がCR-P2という、当時でもあまり採用されなかったものでしたので、今では電池の入手が難しくなっているかもしれません。今でのそれなりに高額で、撮影できるセットは大学卒初任給程度はするでしょう。残念ながら、私は所有しておりません。

 たぶん、水深100mに達する前に、私はペシャンコになっちゃうと思います。そもそも、今回は台風の大雨の中で使えるカメラとは、というお題ですし、ニコノスRSの半分の水深50mも潜れれば、私の生涯での使用で差し支えることはないでしょう。となると、同じニコン製の、ニコノス1,2,3,4-A、5と選べる幅がずいぶん増えます。正式名称はローマ数字ですが、文字化け防止のためアラビア数字にしております。

 我が家にはこのうち、ニコノス2とニコノス5があります。大変残念ながら、軟弱もの故水中で撮影をしたことがありませんが、本日の様な荒天下でやむをえず、どうしても撮影せざるを得ない状況あありましたが、躊躇なく、これらニコノスのうちのどちらかを持ち出します。特殊用途のカメラにもかかわらず、特にニコノス5やその前の型の4ーAは結構中古市場でも見かけます。さらに、残念ながら、あるいはありがたいことながら、レンズとセットで、飲み会2回分程度の金額で売られております。注意しなければならないことは、交換レンズの大半は水中撮影専用で、陸上でも使えるのは35mmF2.5と80mmF4だけです。さらに、このRSを除くニコノスシリーズはファインダーでピントの確認ができませんので、距離の設定は感覚に頼ることになります。80mmはピントの合う範囲が狭いので、事実上、陸上で使えるレンズは35mmのみになります。私は知らずに、ニコノス2と15mmというデメキン超広角レンズのセットが1千円程度であったのでシメシメと思って買い、その後、レンズが水中専用と知って一度も使えず、ほこりをかぶっている状況ですのでご注意ください。

 外見は、ニコノス2はずんぐりむっくりな特殊な機械の趣で、ニコノス5はド派手なオレンジ(ほかにモスグリーンのものもあります)の潜水艦風です。

 どちらのカメラも、防水以外に素晴らしい取り柄があります。それは、ものすごく、音が小さいこと。撮影するときに、音が迷惑になる状況でもほぼ無音なので撮影できます。ただし、ニコノス2は真っ黒ですがずんぐりむっくりな異形をいておりますし、オレンジのニコノス5はどこから見ても目立ちますので、いくら音が静かだからといっても、盗撮にはとても不向きなカメラですよ。モスグリーンのニコノス5は所有しておりませんので何とも言えませんが、でかくて重いのは間違いありませんのでお勧めしません。

 

 いつか、水中専用レンズを水中で使ってみたいとは思っているところではありますが、なかなかそのような機会にも恵まれないので、そのうち、水中撮影専用レンズを陸上で使ってみることにします。