フィルムで写真を撮ってみませんか。

「フィルムを使う写真に興味を持つ人を一人でも増やす」ことが目標の一個人の活動

カメラの話(コラム第三回-6)カメラと、私。(高画質への憧れ)

 さて。

 前回であった「彼」は、中判カメラも所有しておりました。確か、出会った当時に使っていたのは、ペンタコンシックスという、東ドイツ製の6×6判一眼レフカメラと、広角レンズ、標準レンズ、望遠レンズのセットでした。

 初めて、6×6サイズのスライドフィルムを見たとき、「カールツアイスレンズ」というネームバリューは別としても、その澄んでいてかつ重みのある青空、突き抜けた紅葉の赤色、銀杏の黄色に感動しました。これが、中判サイズなのか、と。

 

 ほどなく、私も中判カメラを探すようになりました。ただ、身分は学生。スウェーデンハッセルブラッドやローライは、名前を出すことすらおこがましい。初めに選んだ中判カメラは、ペンタックス6×7の初期型でした。

 このカメラは、一眼レフカメラをそのまま拡大したような形をしており、手軽に扱える気がしました。そして、そのプライスが1万円であったことも魅力でした。ファインダーやレンズを購入するとそれなりの金額になりましたが、それでも、うれしくてたまらなかったです。

 

 しかし、残念ながら非力で手が小さい私には、このカメラは余るものでした。手放し、私に本当に合う中判カメラを探し、辿り着いたのは、ゼンザブロニカS2でした。

(あぁ、このカメラの記事を書くのを忘れておりました)

 機構は全く異なるものですが、ハッセルブラッドのような形をしており、その堂々とした風格たるや、それまで有していた一眼レフカメラの比ではありません。ウエストレベルファインダーであれば、でっかいガラスの塊を含むペンタプリズムを搭載せず、重量は最低限となります。弱点、欠点もありますが、それはまた今度の機会にしましょう。

 

 中判カメラの圧倒的な存在感や、その仕上がりに非常に満足したものの、135判カメラを手放し縮小することはありませんでした。確かに、中判カメラで撮影するときの充実感は135判カメラとは異なりますが、機動力や扱いやすさは、格段に135判カメラのほうが優位です。

 結局、併用し、現在まで至っておりますが、いかんせんフィルムが高くなってしまったこと、小さな子供がおりカメラ以外の荷物を多く運ぶ必要があることから、最近は中判カメラを持ち出すことはよほどの記念写真を程度になってしまいました。