フィルムで写真を撮ってみませんか。

「フィルムを使う写真に興味を持つ人を一人でも増やす」ことが目標の一個人の活動

往くか、退くか

 さて。

 皆様、4連休をいかがお過ごしでしょうか。コロナ禍のもと、GoToキャンペーンと言われても、まだマスクをつけられない乳児がいる我が家は、少なくとも遠出や人が多く集まると思われるところへの外出ははばかられ、近所の、自然豊かなところへ少し出かける程度で過ごしております。

初めて撮影した初ハッセルブラッドのことですが、

(参考)

film-camera-challenge.hatenablog.com

 残念ながら、光線漏れがあるようです。

(参考) 

film-camera-challenge.hatenablog.com

 

 ハッセルブラッドでよくあること、の様ですが、部屋を真っ暗にし、フィルムを入れる部分に光源を入れて金属板を入れる部分を見てみると、派手に光が漏れております。ということは、外からフィルム室内にも光が入っている、ということですね。

 初めの8枚ほどは、早朝で、光がさしていない時間帯であったので光被りも少なかったのですが、あとになるにつれひどくなり、終わりの3枚は何が写っているのかわからないほどにフレアーが起きていました。

 薄曇りがあるレンズを用いたからかとも思いましたが、かつて、かなり曇ったレンズで撮影しても、ここまでひどくならなかった経験もあり、よくよく考えてみると、

 南向きにカメラを構えていた→私の左手側から朝日が差し込んでいた→ちょうど、ハッセルの金属板を入れるところにまっすぐに朝日が当たっていた→フィルム室内に光が入る→何が写っているのかわからないフィルムが出来上がった

 ということに到達し、暗い部屋でますます気分が暗くなる行為に及んだわけなのです・・・・

 

 問題は、これからどうするか。いくつかの選択肢が私にはありますが、大別すると、

A:往く:このハッセルブラッドを使い続ける。

B:退く:返品のうえ返金を要求する。

 

 Aのためには、少なくともフィルムバックを修理しなければなりません。カメラ屋さんとの協議になります。購入したのは私の責任、販売したのはカメラ屋さんの責任。しかし、これはきっと、撮って現像するまでわからなかったことですから、どう折り合いをつけるか。考えるだけでもおっくうになります。そして、実費となると、どれくらいの費用が掛かるのか想像が付きません。

 Bのためにも、カメラ屋さんとの協議になります。返品すると、今後、普通のレンズ交換式Vシリーズには興味を持たないでしょう。興味があるのは、SWCシリーズです。この店でSWCを探してもらうということにすれば、少しは話がしやすいかもしれません。しかし、私が欲しいSWCのT☆コートのやつは、あまり数がなく、最近は軽く20万円をこえており、追い金は10万円をこえます。来月中にはバイクの定期点検も控えており、金銭的余裕もありません。さらに、カメラ屋さんで買った本体+レンズ2本等のセットに加えて、Sプラナー120mmF5.6、明るめスクリーン2本のレンズの前後キャップ(保護ケース付きだったのですがキャップはなかったので)と、2万5千円程度の投資をしておりましたので、それらの処分も考えなければなりません。

 

  今まで、数多くのカメラを中古で購入、使用してきたのですが、購入時に不具合があったのは今回を除いては一件だけでした。もう、20年ほど前のことになりますが、ローライ35のシュナイダー製クセナー付を数万円(忘れました)で購入したところ、スローシャッターが粘っていました。できれば、使用したかったので修理を依頼したのですが、修理費が高価ということで、販売店からは返品またはそのままでの使用(修理は行わない)の選択を提示され、泣く泣く、返品しました。

 

 私が使用しているカメラのほとんどは日本の会社が製造したもの。たまたまかもしれませんが、舶来品とは相性が悪いのかもしれません。

 

 明日以降、購入店に相談してみることにします。

スクエアプリントのびっくり価格

 さて。

 初ハッセルの初撮影を済ませたフィルムが仕上がってきました。

(参考) 

film-camera-challenge.hatenablog.com

 

 今回は、カラーネガフィルム「コダック400VC」というネガフィルムの大きく期限が切れたもので撮影したのですが、

・滝をスローシャッターで撮るにもかかわらず、ISO400という中感度フィルムを用いた。

とか、

・早朝のモノトーンに近い光線状況にもかかわらず、ビビッド発色のフィルムを使った。

とか、数々の無謀を行ったことは置いておいて、フィルムバックに若干の露光漏れがありそうな雰囲気にちょっとヘコむなど、色々とございますが、12枚の中から5枚をチョイスし、某大手写真関係チェーン店「ノースビレッジ」にプリントを依頼しました。

 プリントははがきサイズで、一枚60円程度でした。まぁ、そんなところでしょうね。

 

 しかし。

 その中でそれなりに気に入った写真2枚を4つ切りに引き伸ばそうとオーダーをしたのですが、

1.店舗にある機械では、6×6判のノートリミング(つまりは、正方形の写真)プリントはできない。

2.外注になり、ほぼ2週間がかかる。

3.通常、4つ切りサイズは800円(税抜き)であるが、トリミング処理料金として、プラス1100円がかかる。

 

 1.と2.は、おそらく世の中の少数派のことをお願いしているのだから、仕方がないことだと得心します。

 しかし、3.は、どう考えても、説明がおかしく、納得がいきません。「正方形で撮影した原版を長方形にプリントすること」がトリミングだと思っておりますが、「正方形で撮影した原版を正方形にプリントする」ためにトリミング処理料金がかかるということは、腑に落ちません。

「私は、6×6の原版を4つ切り内接で印刷し、余白は切って正方形としたい、つまり、ノートリミングを求めている」

と、説明するも、

「内接でプリントということはデジタルの概念であり、長方形でプリントされるものを正方形でプリントすることがトリミングである、したがって、トリミング処理料金1100円がかかる」

という回答。

 ゼンザブロニカで6×6判の撮影を始めてからも18年が経っており、そのころからずっと、常に、「ノースビレッジ」の他店舗で「四つ切(金欠の時は六つ切)内接で」とオーダーし、「余白分がもったいないよねー」と話しておりました。

 しかし、今回の「内接はデジタルの概念」とか、「仕上がりが長方形のものを正方形でプリントすることがトリミング」とか、訳が分かりません。

 私の理解が不足しているのか、店員さんの説明が悪いのかわかりませんが、この店舗をプリントで使用することはないでしょう(中古カメラにたまに掘り出し物があるので、たまには寄りますが)。

 兎も角、4つ切りサイズのスクエア写真をプリントするのは1900円+税がかかるようです、つまりは2000円オーバーです。デジタルカメラでのプリントは、同サイズで800円、2.5倍もします。ブローニフィルムでのプリントも、左右(もしくは上下)を切った、長方形にするのであれば800円でできるようです。

 

 どうして、正方形のものを正方形でプリントするという単純な作業のほうが、正方形のものを長方形にプリントするという複雑な作業のものよりもずっと高価になるのか、どうにも納得がいきません。

 

 ちなみに、はがきサイズへのプリントは、長方形も正方形も同額でした、ますます訳が分かりません。

ハッセルブラッド500C/MとブロニカS2の違い

 さて。

 中判カメラの話が続いており、偏ってしまい申し訳ございません。

 本日も、わずかな時間ですが、ハッセルブラッド500C/Mを持ち出しました。レンズは、前回と同じく3本を、サブカメラは結局全く取り出しませんでしたが、ソニーNEX-5を持ち出しました。

(参考) 

film-camera-challenge.hatenablog.com

 

 本日の撮影は、昨日に比べて少しではありますが、歩きました。サブカメラをニコンDfをソニーNEX-5にしたのはそのためです。

 

 昨日に比べて少し歩いたことで、感じたことは、「ハッセルブラッドシステムは、ゼンザブロニカシステムよりも重いのではないか。」ということでした。

 ゼンザブロニカS2をよく持ち出していたころのセットは、ゼンザブロニカS2、50mmF3.5、75mmF2.8、200mmF4でした。頻繁に持ち出していた頃からは数年経っており、私もその間に歳を経るとともに足にけがを負ったこともあり、余計にハッセルブラッドに重さを感じたのかと思いましたが・・・・

 実際に、ドンケF2に詰めて重さを測ってみたところ、ハッセルブラッドのセットは5.2kgで、ゼンザブロニカのセットは4.5kgでした。その差は、約700gであり、ニコンF3ボディーとほぼ同等の重さでした。レンズのスペックも異なるとはいえ、しかし、それでも、700gも重さの差がありました。

 ゼンザブロニカS2に75mmF2.8の組み合わせは、ハッセルブラッド500C/MにS-planar120mmF5.6よりも拡大倍率が高いです。ゼンザブロニカ50mmF3.5はかなり接写でき、反面、ゼンザブロニカ200mmF4はかなり寄れません。結果、私が所有するゼンザブロニカシステムとハッセルブラッドシステムのスペック能力としては、ゼンザブロニカハッセルブラッドよりやや優勢と言わざるを得ません。さらには、ゼンザブロニカシステムとして、40mmF4と、改造30mmF3.5フィッシュアイがあり、これら同スペックのレンズをハッセルブラッドで入手するとすると、かなりの資材を放出せねばなりません。これは、仮にハッセルブラッドの標準レンズである80mmF2.8や100mmF3.5を入手しても揺るがないことでしょう。

 ハッセルブラッドに装着される、「カールツアイスレンズ」のポテンシャルを未だ私は知りません。昨日撮影したフィルムで、その魔力を目の当たりにしたいものです。

 

 ちなみに、本日は5カットのみの撮影となりました。今週中に、空き時間を見つけてボチボチ撮影していきたいと思います。本日詰めたフィルムはリバーサルフィルムです。どのような発色をするのか、本日の撮影被写体は限りなくモノトーンのものではありましたが、大変期待しております。

ハッセルブラッド初撮影

 さて。

 2020年6月6日に購入したハッセルブラッド500C/Mですが、本日、ようやく初撮影ができました。撮影対象は、今まで複数回訪れたことがある、比較的近くまで車で行ける滝2本で、久しぶりの梅雨の晴れ間ということもあり、6歳の子連れでの撮影となりました。

 持って行ける機材は、愛用のカメラバッグ「ドンケF2」に納まる量というのが前提になります。

 ハッセルブラッドは、500C/Mと50F4、120F5.6、250F5.6のフルセット。フィルムは期限が過ぎたコダックのネガがあったので、それを練習がてら詰めてみました。

 サブカメラをどうするか、ですが、露出計代わりになるデジタルカメラで、先日、PCニッコール35mmF2.8を衝動買いしていたので、これも使ってみたかったから、ボディはニコンDf、としました。

 

 滝についたのが9時過ぎで、のんびりゆっくりと1時間ほど撮影し、フィルムは120フィルムなので、12枚のみの撮影、デジタルも30枚程度の撮影で終わりました。

 初ハッセルで気が付いたことは、

・シャッターをチャージせずにレンズ交換し、レンズがチャージ済みの場合は修理送りということで、レンズ交換前にシャッターチャージをしていることを指さし確認していること。

・撮影後ミラーアップの状態となるため、いつまでも光景が戻ってこないので、「えらい長時間露光したっけ」とか、「バルブ設定でシャッター開けっ放しにしたっけ」とか、無駄に悩んでしまうこと。

・ボディはブロニカS2よりもとても軽いが、レンズがブロニカのものよりもとても重いこと。

・シャッターチャージ等巻き上げの回転角がブロニカS2よりも圧倒的に少ないこと。

 

 フィルムの仕上がりは中5日程度とのことでした。さて、どんな仕上がりかとても楽しみです。

難しい選択、の結果

 さて。

 先日お伝えいたしました通り、私、岐路に立っておりました。

 

film-camera-challenge.hatenablog.com

 

 その結果、防湿庫を1個増設しました。購入したものは、以下のものです。

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B01HJFXET2?ref=ppx_pt2_dt_b_prod_image

 

 102Lで3万円弱なので、お値打ち価格と思い、購入し、本日届き、早速電源接続のうえ、一部機材を収納しました。

 

 悩んだ結果、新規防湿庫には、以下のものを収納しました。

ハッセルブラッド一式

 500C/Mと、レンズ3本

・ゼンザブロニカ一式

 S2をはじめ3台と、レンズ8本

・中判カメラ数台

 フジカスーパー6、フジカGW690Ⅲ、ロシア製のへんなの

・特殊カメラ

 ニコノス5とレンズ1本

デジタルカメラとその付属品

 ソニーNEX-5初代、α7初代、レンズ6本

 ニコンD750、Df、レンズ5本

 

 これだけ入れると、結構いっぱいになりました。ハッセルブラッドの標準レンズは入るかな、というくらいです。

 かといって、元の防湿庫があまり空いたとも思えない・・・よかった、これで、防湿庫を埋めようと思わずに済みます。

 新規導入の防湿庫は、以前から使っているトーリ・ハンのものと比べて、棚がプラスチック製でたわんでおり、また、そのレールもまたプラスチック製のため耐久性に不安があります。あまり密には置けないな、と感じております。棚が引き出せるようになっているものの、かなりたわみが目立ち、前述の通り棚もレールもプラスチックのため、外れて落っこちそうで不安があります。

 

 何はともあれ、若干、機材の出し入れが楽になったことはありがたく感じております。

難しい選択

 さて。

 ハッセルブラッドがやってきてもうすぐ1か月が経とうとしておりますが、梅雨空のため未だフィルムを通せておりません。それどころか、山崩れ、河川氾濫が起きないか日々ドキドキしながら、テレワークができない仕事柄、毎日出勤しております。

(参考)

film-camera-challenge.hatenablog.com

 

 購入したハッセルブラッドのセットは、ボディー、プリズムファインダー、高倍率ファインダー、50mmF4、250mmF5.6、ポラバックであり、レンズは135判換算で28mm相当の広角と、135mm相当の中望遠のセットで、間がごっそり抜けておりました。

 間が抜けていると、間を埋めたいと思うのが心情ですよね。

 妥当なところだと、ハッセルブラッドの標準レンズ、プラナー80mmF2.8を購入するところでしょう。

 少しこだわるのであれば、より平面性が高くシャープだと評判のプラナー100mmF3.5を選ぶところでしょう。

 

 私は、そのいずれもが欲しいと思いつつも、最短撮影距離が90cmとやや遠いことが気になり、また、それなりのものだと7万円オーバーという予算の問題もあり、購入には至れませんでした。

 

 そこで、間を埋める第一候補としたレンズは、CFレンズのマクロプラナー120mmF4でした。マクロと言いつつも、最短撮影距離は80cmで、さして寄れるわけでもないのですが、それでも、前述の二本よりは拡大率は高いレンズです。しかし、このレンズも、予算は7万円からといったところ。

 私は、中判カメラはウエストレベルで構えて、スクリーンに写る像をじっくりと眺めたいと思っております。必ず、三脚併用で、まさか、手持ちでパシャパシャ撮れるものだとは思っておりません。

 それならば、マクロプラナーの前身である、Sプラナー120mmF5.6でも良いのではないだろうか・・・私が持っている数少ないハッセルブラッドに関する本でも、F4とF5.6の際は極めて小さいとありました。そして、曇っているとは言え、1万5千円で売られているものがありました。

 数日後、私の手元にやってきました。

 おそらく、結露したのでしょう。一番前のレンズの後ろ側と、一番後ろのレンズの前側、つまりは拭けないところが曇っております。

 現在、オーバーホールの段取りをつけているところです。

 

 これまでに、ハッセルブラッドにかけた費用は、

 ボディー+50mm+250mm+ファインダー2種等=10万円

 フォーカシングスクリーン(社外品、新品)、レンズの前後キャップ1セット=8千円

 120mmF5.6=1万6千円(送料込)

 12万円を超えました。これに、120mmを分解清掃するとなると、その総額は15万円を超えることになるでしょう。

 

 困っているのは費用面が大きいのですが、それと同時に、防湿庫の容量です。

 私に与えられたスペースは6畳よりもやや狭い空間です。その中に、セミダブルサイズのロフトベット(初めてのDYIのため、自壊する恐れあり)、その下にパソコンデスクとタンス1個と作り付け本棚、他に本棚が1個と、防湿庫(80cm×67cm×35cm)、ソファーベッド(子供が来た時に寝ています、時々酔いつぶれたら私が寝ています)。

 既存の防湿庫は、本当に、もう、いっぱいいっぱいです。入る余地はありません。

 かといって、6畳1間に、もう一台の防湿庫を据えると、部屋が湿っぽくなってしまう恐れもあります。そして、スペース的にも厳しいものがあります。

 

 私が取れる対策は、一つしかありません。機材を減らすことです。せめて、機材を増やさないこと、です。

 

 今までご紹介してきましたとおり、私の防湿庫には、

ニコンのカメラとデジタルカメラ、そのレンズ達

ミノルタのマニュアルフォーカスカメラとそのレンズ達

オリンパスのマニュアルフォーカスカメラとそのレンズ達

キヤノンのマニュアルフォーカスカメラとそのレンズ達(少数)

ペンタックスのマニュアルフォーカスカメラとそのレンズ達(少数、ただし、M42マウントレンズは多数)

・フォーカスプレーンのゼンザブロニカのカメラとそのレンズ達

・その他フィルムカメラ複数

ソニーα7とNEX-5とそのレンズ達

が入っております。

 

 以前も、防湿庫がいっぱいになったことがありました。

 その時取った手段は、当時持っていた、オリンパスOM-1、OM-2とそのレンズ達、ペンタックスオートフォーカスカメラとそのレンズ達を放出すること、でした。また、デジタルカメラキヤノンからニコンに代え、機材を減らすことにも成功しました。

 

 結果、スペースが空いたものの、ひょんなことでオリンパスの神レンズと言われる90mmF2マクロを入手、50mmF2を入手、その他順調に増え、元よりも多いオリンパス機材となりました。

 ペンタックスは、オートフォーカスレンズがなくなり、代わりに、古いM42マウントのレンズがいっぱいになりました。

 ニコンは、デジタルカメラが2台に増え、オートフォーカスレンズを増やしたい気持ちと戦っております。

 

 私は、決して機材を集めたいわけではありません。ただ、たまたま目の前に、使ってみたいなと思うレンズがあったら買ってしまい、使いこなすことができないため、どんどんと溜まっていってしまうだけなのです。私の心にとっても、機材にとっても、滞留することが良いこととも思えませんが、ただ、私の手元にある間は、防湿庫に入れ、カビなど生えないよう所有することには務めております。

 

 取れる道は2つだけです。

・機材を減らす(最悪でも増やさない)こと。

・防湿庫を増やすこと。

 

 本当に、難しい選択です。

中判カメラのこと

 さて。

 今までほとんど触れてくることのなかった、中判カメラのことです。

 

film-camera-challenge.hatenablog.com

 

 中判カメラとは、ブローニフィルムを使用するカメラのことです。ブローニフィルムは、短辺が約6cmで、横幅な使用するカメラにより異なり、一般的には4.5cm(645判)、6cm(66判、スクエア)、7cm(67判)、8cm(68判)、9cm(69判)、12cm(612判)、17cm(617判)があります(ありました)。ほかにもあるかもしれません。

 

 我が家には、このうち、66判のカメラと69判のカメラがありますが、私は特に66判を好んでおります。そのメリットは、

①正方形なので、縦位置、横位置を考えなくてよい。

②正方形という特徴のある写真が撮れる。

③ブローニフィルムで現在一般的な「120」フィルムで12枚撮れ、枚数が感覚に合う。

 

 中判カメラも、一眼レフカメラレンジファインダー型のカメラがあります。

 一眼レフカメラは、広角、マクロ、望遠撮影の時に特に威力を発揮しますが、撮影する映像と(ほぼ)同じ映像をファインダー内で確認できるメリットがある反面、撮影の瞬間が見えないこと、ミラーがあるため大きく多いことのデメリットがあります。

 レンジファインダー型のカメラは、一眼レフカメラと比べて薄く軽いものの、完全なフレーミングはできません。一長一短といったところでしょうか。

 

 中判カメラの一眼レフカメラのほとんどは、ファインダーが交換できるシステムカメラです。135判の一眼レフカメラと同様のペンタプリズムを標準またはオプションで用意していたカメラがほとんどですが、このペンタプリズムはガラスの塊なので、大きく重いことから、もともと大きく重いカメラがなお一層大きく重くなってしまいます。

 かといって、ペンタプリズムを搭載していないものは、ウエストレベルファインダーという上からのぞき込むタイプのものになりますが、その特性上、左右が逆になります。ファインダーでもうちょっと右側を入れたいなと思うと、カメラは左側に振らなきゃいけない、と、慣れるまで(私もまだ慣れていると言い難いですが)当分の時間がかかります。

 これが、通常の横位置での撮影であれば左右の逆像で済みますが、縦位置写真にしようとすると、天地が逆になるので、常に逆さ富士を見る状態、というか、股潜りの天橋立を見る状態、というか、脳内混乱の像となります。

 私は体力もなく、根性もないので、大きく重い機材を好みません、したがって、中判カメラはウエストレベルファインダーを愛用しています。そして、長方形フォーマットでは縦位置(縦長)写真を多用しておりますので、中判カメラ、長方形フォーマット、ウエストレベルファインダー、ということになると、天地逆像を見なければなりません。これに我慢ができないことから、6×6の正方形フォーマット、その中でも独特の機構と頑丈さ、ハッタリ、お値段、所有満足度を兼ね備えた、ゼンザブロニカS2やEC-TLを長く使ってきておりました。

 どうしても小型軽量で中判フォーマットを楽しみたいときのために、スーパーフジカ6という蛇腹カメラを持っております。1955年(昭和30年)に発売され、すでに65年も経っているのですが、いまだ、操作性は一級品で、ピント合わせ機能もあり、何の差し支えもございません。75mmF3.5のレンズは古いレンズであるにもかかわらず、白く濁るような持病もあまり聞かず、機構も頑丈で初めての中判カメラに十分お勧めできるものです。

 また、記念写真用の位置づけで、フジカGW690Ⅲというレンジファインダー型のカメラを持っております。6×9cmのフォーマットは圧巻で、その時の空気まで閉じ込めている満足考えられます。レンズは交換できませんが、姉妹機に広角レンズを搭載したGSW690Ⅲというカメラもあり、いつか入手したいと常々思っております。1990年代に発売された比較的新しいカメラなので、レンズには当時のフジフィルム社が誇るEBCコーティングが施され、その描写力は健在です。

 今般、これらのカメラに加えてハッセルブラッドC/Mが加わりました。一眼レフタイプで、ゼンザブロニカと使用用途は類似のものとなります。

 私が所有するゼンザブロニカS2とハッセルブラッドC/Mの大きな違いは、ゼンザブロニカはほとんどの機構をカメラ内に有しているのに対し、ハッセルブラッドはレンズ側に有しております。

 例えば、ゼンザブロニカは、

・カメラにシャッターがある

・ピント合わせ機能も(実質)カメラにある

のですが、かたや、ハッセルブラッドは、

・レンズにシャッターがある

・ピント合わせ機能はレンズにある(一般的な135判一眼レフカメラと一緒)

です。

 そのため、ハッセルブラッドはカメラとレンズは綿密に連携を取らなきゃいけないので、

・シャッターをチャージした後でないとレンズの取り外しをしてはいけない

 といった、儀式があるのです。

 

 一般的に、ハッセルブラッドの価値はレンズの描写力、カメラの静粛性と小型軽量なことにあるとよく言われているようです。

 確かに、カールツアイスレンズのブランド力は絶大です。ゼンザブロニカS2と比べて、静かで小型、軽量であることは間違いありません。

 半面、ハッセルブラッドは撮影後、シャッターをチャージするまでミラーが所定の位置に戻らず、画面は真っ暗です。一眼レフカメラは、撮影する瞬間にミラーが跳ね上がる(ゼンザブロニカS2は潜り込む)ために、本当に撮った瞬間は見れないのですが、ハッセルブラッドはその見えない時間が極端に長いわけなのです。

 ゼンザブロニカは撮影後すぐにミラーが所定の位置に戻るため、すぐ像が確認できるものの、そのミラー駆動音と衝撃が、衝撃的なくらいで、撮影しているとハトが飛び立つ、などと揶揄されたようです。

 

 今だ、私にはハッセルブラッドとゼンザブロニカの使い分けができるようには思えておりません。

 しかし、長年連れ添ったゼンザブロニカも、ご縁で入手したハッセルブラッドも手放す気になれず、ブローニフィルムがある限り、撮影していきたい、と思っております。