さて。
写真用フィルムは、多くの種類があります。
それは、
〇ネガフィルム(一般的な、茶色っぽいやつですね)orスライドフィルム(フィルムの状態ですでに色がついているもの)
〇カラーor白黒
〇フィルムの形状とサイズ
これらのそれぞれの組み合わせによるもので、すべての組み合わせが存在するわけではありません。また、ほかに感度という特性もあります。
本日は、フィルムの形状とサイズについてのお話をします。
今現在、販売されているフィルムは、形状で分類すると
①ロールフィルム
②シートフィルム
の2種類です。①は、長い帯状のフィルムで、一枚撮影すると、フィルムを巻き上げて、2枚目が撮影できるものです。②のシートフィルムは、シート状の、1枚で1枚の撮影しかできず、撮影ごとにフィルムを入れている装置(カセッテと言います)を交換するものです。かつてはクイックロードという、20枚撮りのシステムがあったようですが、もはやなくなっているようです。
さらに、サイズで分類すると、ロールフィルムには、
A:35mmフィルム
B:ブローニフィルム
があり、それぞれ長さにより種類があります(Aだと12,24,36が、Bだと120、220があります)。
シートフィルムには、
C:4インチ×5インチ(約10cm×12.5cm)
D:8インチ×10インチ(約20cm×25cm)
があります。恥ずかしながら、シートフィルムは、カメラは見たことがありますが、フィルム現物や、撮影している人はいまだかつて見たことがありません。
かつて、フィルムにはもっとたくさんサイズがありました。最近だと、アドバンストフォトフィルム、APSフィルム、ですね。いろいろ情報が書き込めることをうりにした、カートリッジ式のフィルムでした。20世紀末、それなりにカメラは出回っておりましたが・・・2012年にフィルムの販売が終了、このフィルムを使用するカメラは、使用可能であっても撮影できないカメラとなってしまいました。それ以前には、110フィルム、ミノックスフィルムといった超小型カメラ用フィルムも販売終了、一部マニアのためにごく少数が海外より輸入され流通しているものの、とても一般的とはいえるものではありません。シートフィルムにも、CとDの間のサイズもあったと思います。
私が所有しているカメラは、A、Bのフィルムを使うものですが、大変残念なことに、21世紀になってから大幅にフィルムのラインナップが減っております。例えば、日本の老舗であったコニカ(末期はミノルタと合併しコニカミノルタ)が、フィルム関連事業から撤退。アメリカの大手、イーストマンコダックが倒産、上場廃止(その後規模を大幅縮小し上場復活)。フジフィルムもラインナップが大幅に縮小し、価格はかつての2倍に迫るものとなっています。
最も一般的なフィルムはAのものですが、Bのものは、縦が6cm弱で固定ですが、1コマに使用する横幅が4.5cmのもの、6cmのもの、7cmのもの、8cmのもの、9cmのもの、12cmのもの、17cmのものと、多くの種類のカメラが販売され、多彩なニーズに対応できるポテンシャルを秘めたフィルムです。そして、現在も新品で販売されているカメラもありますが、過去に販売された中古であっても実用に耐えうるもの、また、修理が可能なものも多く存在するにもかかわらず、APSフィルムのように、フィルムがなくなったから、ということで、それらのカメラでの撮影が不可能となって良いのでしょうか。