さて。
前回、フィルムには多くの種類があることをお話ししました。今回はその続きです。
〇ネガフィルムorスライドフィルム
について、お話しします。
ネガフィルムは、フィルムを現像した段階では茶色っぽく、濃淡が反転しているものです。きっと、普通の方が想像するアレですね。現像したのちにプリントすることで、いわゆる「写真」の状態になります。現像したのちにプリントするので、その時にある程度補正することができます。なので、露出はある程度アバウトでもそれを受け止めてくれる懐の深さがあります。
スライドフィルムは、ポジフィルムとも言いますが、スライド投影や印刷原稿に用いられる、現像した状態ですでに色が付いたものです。透過光で見ると実物以上に輝いて見えます、が、その代わり、露出にシビアという特徴もあります。
ネガフィルムのほうが一般的なので、まず、ネガフィルムから始めて、スライドフィルムの色の華やかさに引かれ、スライドフィルムに移行する方が多かったのではないでしょうか。私もかつて、そうでした。
デジタルカメラが出す絵は、スライドフィルムに近い華やかなものだと思っております。そのかわり、実は、結構、露出にシビアです。撮影時に暗く撮りすぎると、補正するときに荒くなります。明るく撮りすぎると、真っ白になって色のデータが抜け落ちます。
今、私はネガフィルムに惹かれております。確かにスライドフィルムはきれいですが、普通の35mmフィルムでは1コマのサイズが小さすぎてよく見えません。ブローニフィルムでこそ真価が発揮できると思っています。
皆様にまずお勧めしたいのは、最も一般的な、35mm版フィルムの。ネガフィルムです。これであれば、深い知識や技術がなくても、デジタルカメラよりもむしろ簡単に撮影ができるうえに、デジタルカメラの写真とは一線を画した、穏やかな色合いやコントラストが楽しめます。