さて。
寒さが続いておりますね。やはり、このような季節はプラスチック外装のカメラに限る!ということで、今回も引き続き、プラスチック外装のカメラを紹介します。私が最も頼りにしており、イザというときは必ず使用するニコンのフラッグシップ機、F4です。なお、バッテリーグリップ部の違いで、F4、F4S、F4Eがあります。我が家にあるのはF4とF4Sで、F4は単三乾電池4本使用、F4Sは同6本使用であり、巻き上げスピードがF4Sのほうが速い、という仕様になっております。なお、F4ではニッカド・ニッケル水素電池は電圧がすぐに下がってしまいすぐにバッテリー上りとなりますので、充電池を使いたいのであれば、F4Sがお勧めです。
まずは、外観から。
グリップ部に傷があるのは、実用品として使っている証なのでお気になさらずに。このカメラは、1988年に、ニコンのフラッグシップ機の4代目として登場しました。
ちなみに、3代目はこのカメラ。
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ニコンF3から大きく進化したところは、
・オートフォーカス機能を搭載
・多彩な露出制御機能を搭載
・電動巻き上げ、電動巻き戻し機能を搭載
その結果、
・大きく重くなった。
・ダイヤル・レバー操作を踏襲したため、ゴチャゴチャになった。
・すごく高くなった。(F3が13万円→F4が24万円)
・ボタン電池→単三乾電池4本(F4Sは6本)と、本体に加えてさらに重くなった。
また、外装にプラスチックが用いられた唯一のニコンフラッグシップ機でもあり、使い込むとテカっちゃうことから人気があまりありません。しかし、この、レバーとダイヤルの量は圧巻であり、電源のオンオフにかかわらず、瞬時にカメラの状態が把握できるこのレイアウトは非常に優れていると私は感じております。
それに、内部の構造のしっかり感も半端ありません。
しかし、F4と同時期に発売された中級機種であるF801がF801Sに、さらにF90に、そしてF90X(1994年発売)にと順当に進化し、オートフォーカス機能が強化され、また、ライバルキヤノンがEOS-1n(1994年発売)を発売、5点測距を実現すると、その評価は「重い」「ゴチャゴチャ」「時代遅れ」「オートフォーカス機能付きマニュアルフォーカスカメラ」とさんざんなものとなり、1996年にニコンF5が発売された際にF3は継続して販売されるものの、F4は早々に生産完了となってしまいました。
実際使っていない人の評価だと思いますよ。これらの悪口。まぁ、定価24万円もするカメラ、そんなに簡単に買えなかったはずですから。
我が家には3台のF4があります。一台目の購入は2000年の時。本当にあこがれのカメラだったので小躍りしました。枕元に置いて寝ました。外装がテカってきている中古で、7万円+消費税でした。オーバーホールと同時に外装の載せ替えをし、ピッカピカになりました。二台目は2014年でした。F4Sのグリップ付きにも拘らず、1万円でおつりがありました。三台目は職場の他部所で「廃棄」と書かれた箱の中におりましたので、お願いしていただきました。残念ながらファインダー内の表示が外れてしまっていたので、ウエストレベルファインダーを別途求めて、一応完全動作品となりました。
それくらい、このカメラにはほれ込んでおります。他のカメラにはない、このカメラの優位点は、
・マニュアルフォーカスがとても扱いやすい。ファインダーのピントの見やすさは一級品。
・Ai-sレンズであれば、5分割測光が使えて、露出制御が安心。
・ふるーいAi以前のニコンレンズも使える。
・マニアックなF3AF用レンズも使える。
・サイレント巻き上げは超静か。
・手で巻き戻しをするときの感触が最高。
・シャッターの切れが最高。
では、ニコンF4をまとめますと、このようになりました。
携帯性は、電池抜きで1kgオーバーですからね、持ち運びは非常につらく、4点減点。
デザインは、唯一無比で秀逸であるため満点。
質感は、プラスチックがテカる前だと特に不満はないのですが、テカると残念なので2点減点。
操作感は、独特ではあるもののとても扱いやすいので満点。
ファインダーは、ピントは見やすいが倍率が倍とやや低いので1点減点。
入手のしやすさは、1万円から買えちゃう個体が、選べるくらいあるので満点。
堅牢・修理は、さすがに修理は厳しくなっているものの堅牢性はお墨付き、壊れているものを見たことがないので1点減点。
システム力は、スクリーン、グリップともに流通が豊富で、ほぼすべてのニコンレンズが使用可能であることから満点。
使うと必ず満足が得られる、非常に優秀な逸品であると認めます。今こそ、ニコンF4が再評価されてしかるべき時期と思います。
続編追加しました。