さて。
これまでの私は、ニコンのカメラしか所有したことがありませんでした。今回初めて、他のメーカーのカメラを所有することになるのです。2000年のことでした。
そのカメラとは、リサイクルショップで出会いました。時々、不可思議な値付け(べらぼーに高いことが多い)をするそのお店で見つけたカメラは、ペンタックスLXでした。
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ニコンF3と同世代で、2000年に(まだ)新品販売されていたのに、どうも日陰の存在のペンタックスLX。手に取ってみると、エアーダンパーの不良で、ミラーの上がり下がりが緩慢でしたが、その密度というか、凝縮感というか、高級感というか、F3とはまた違った魅力を感じ、即決購入。
購入したものの、オーバーホールで7万円かかり、少し涙目になりました。
ファインダー倍率は0.9倍で、0.8倍のニコンF3よりもずっと大きく見えるはずなのに、ファインダー像はどうも暗いためか見えづらく、F3のほうが稼働率は高かったのですが、LX2000という限定版に搭載された「ナチュラルブライトマット」を購入、装着すると、その見え方は一転、最高の域に達しました。LXが発売されてからの20年間、技術が進歩しており、それが一気に花開いた、と感じた瞬間でした。
当時、すでに、ペンタックスのほとんどのマニュアルフォーカスレンズは販売終了となっており、また、流通するKマウントレンズはニコンレンズの同スペックのものと比べて少なくまた高価であったため、当時1000円で純正販売されていたマウントアダプター経由で使用する、1960~1970年代のSMCタクマーレンズを少しずつ買いそろえました。発色は淡く感じるのに、画面全体が真っ白くなる、フレアーの出現は抑えられ、しっとりとした描写にうっとりとなり、次から次へとレンズは増えていきました。
今思うと、このカメラとの出会いが、私をより深くカメラの魅力の沼に引きずり込むきっかけだったようです。