さて。
EOS5DMark2の入手から、ほとんどの写真撮影はデジタル写真へとシフトしました。それと同時に、パソコンを更新し、シルキーピクスというRAW現像ソフトを導入しました。このソフトは、もともと、ペンタックスistDのRAW現像ソフトとして付いてきていて、非常に使いやすく、また、すでに慣れていたので、EOS5DMark2でも使用できるようにと、導入しました。
撮影後、パソコンと向かい合う時間が長くなりました。しかし、2110万画素のRAWモードはデータ量が多い上に、ランニングコストがかからないと思うと、乱暴に連写をしたり、適当に撮ったりするもので撮影枚数が多くなり、当時、私としては張り込んで購入した4GBのコンパクトフラッシュカードはあっという間にいっぱいになりました。それを移し替えるパソコンのハードディスクも、瞬く間に使用済み領域のほうが多くなっていきました。
フィルムの頃とはけた違いに多い撮影枚数。しかし、大量の写真があっても、プリントしてみようかなと思えるものはほとんどない、ということに気が付きました。要するに、撮影が適当だったのでしょう。また、撮った後に、RAWだとある程度露出もなんとかなるさぁ、という甘えもありました。135フィルムのように36枚、あるいは中判カメラ(6×6)のように12枚しか撮れない、という緊張感がないのです。
この大量の写真、というより、データで、心に残るものはほとんどない。かといって、今までのフィルムで撮影するように、丁寧に撮影することもできない。また、この大量のデータを整理し続ける能力(キャパシティ)もない。さらには、私が撮りたい写真というものは、どうやら、高画質の写真である、というわけでもない。
確かに、間違いなく、デジタルカメラは、フィルムカメラよりも便利です。しかし、その便利さに甘えて、ちゃんと、写真に向き合うだけのキャパシティが、私にはないということにだんだんと気が付いてきました。