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「フィルムを使う写真に興味を持つ人を一人でも増やす」ことが目標の一個人の活動

カメラの話(個別第十一回) ニコンFE(第三世代)

 さて。

 今回は、私の恩師(写真関係ではない)からいただいた、限りなくデットストックに近い状態のカメラです。1978年発売の、相性が「シンプルニコン」、ニコンFEです。まずは、外観から。

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 シンプルニコンの愛称にふさわしい、非常にカメラらしいデザインです。撮影ポジションが少し上過ぎました、もう少し正面に近い位置だともっとスタイリッシュに見えます。

 1977年に発売された、「ニコンFM」(愛称はコンパクトニコン)と外観は非常に似ており、どちらも前面にはロゴがございませんが、巻き戻しクランク基部に黒いリング(露出補正やフィルム感度設定をつかさどるもの)の有無で判別できます。なお、右手親指が当たる部分にシリアル番号があり、その頭文字にそれぞれ「FE」「FM」の表記がございます。

 電子制御式シャッターであり、絞り優先オートが使える反面、機械式シャッター搭載でロングセラーとなったFMの後継機であるNew FM2に隠れて、ニコンの中級一眼レフ機ではあまり人気がないのではないかと思われますが、これからお話しすることを足しこみますと、NewFM2よりもポテンシャルが高い(かもしれない)ことにお気づきいただけると思います。

 まず、露出連動爪が可倒式であり、Ai以前のレンズを絞り込み測光で使用することが可能であること。後継機種であるFE2やFM2、FM3AではAi以前のレンズは装着できず、使用することはできません。

 次に、FM、FM2はシャッタースピード表示が視野内に出っ張っていたのですが、FE、FE2FM3Aにはそれがないこと。画面は四角であってほしいです。

 さらに、絞り優先オートが可能である上に、万が一の電池切れの際には、1/90秒と

バルブ撮影は可能であること。ここは、機械式シャッターなのです。

 

 私は、ニコンというメーカーは非常にユーザーの面倒見がよいメーカーと思っております。それは、ニコンFマウントをずっと維持していることはもちろんではございますが、もっと些細な、ファインダースクリーンにも言えます。FM/FE、FM2/FE2/NewFM2FM3Aと世代は異なりますが、ファインダースクリーンの大きさは同じであり、互換性があります。フィアンダースクリーンというものは、時代を経るにつれ、明るくかつピントがわかりやすく解消されてきたものです。最新式のFM3A用のものが、FEにも使用可能なのです。ただし、フィルム感度設定を2/3段低く(例示:ISO200のフィルムを装着する場合は、フィルム感度の設定をISO100+1/3段)する必要はございますが。このファインダースクリーンは、最高であります。

 

 ニコンFEをまとめますと、このようになりました。

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携帯性は、ニコンの中では小型軽量ではあるものの、オリンパスOM-1には見劣りするため1点減点。

デザインは、非常にカメラらしく秀逸であり、満点。

質感は、見て眺める分には文句なしではあるが、シャッターの反響音が耳につくため1点減点。

操作感は、フィルムが進むにつれ巻き上げが重くなること、私は右目が利き目であるため支障ないが、左目が効き目の場合、巻き上げレバーで右目を突いてしまうため2点減点。

ファインダーは、シャッター・絞り値の表示があり、FM3A用ファインダーを搭載するとピントも見えやすいが92%と視野率がやや低いため1点減点。

入手のしやすさは、流通量が多いこと、価格もこなれているが、黒の流通量が極端に少なく感じ1点減点。

堅牢・修理は、電子部品が壊れたものを1台購入したことがあること、使用中に1台破損したことがあるため2点減点。

システム力は、モータードライブやファインダースクリーンの流通があり、ほぼすべてのニコンレンズが使用可能であることから満点。

 

 我が家初の一眼レフカメラであり、私が初めに触った一眼レフカメラニコンF3HPでしたが、それに比べて圧倒的に軽く、特に自動車を保有していない高校生・大学生の時期には撮る撮らないにかかわらず、ほぼ毎日持ち歩いておりました。それでも全くのがたがなく、非常に優秀なカメラだと思っております。