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カメラバッグの話

 さて。

 そういえば、今までに一度の触れていない話題がありました。カメラを持ち出すときに使う、カメラバックのことです。

 

 以前はさらにいくつか持っていましたが、長年の使用で破損し、処分したため、今は6個となっています。タイプで分けると、3種類です。リュックタイプが1個、スリングタイプが1個、ショルダータイプが4個です。

 リュックタイプとスリングタイプは、ロープロ製のものです。ショルダータイプは、ロープロの小型が1個、ニコンD750を買ったときにおまけでもらった小型が1個、ベネトンの比較的大型が1個、ドンケのF2が1個です。

 最も多く使用するのは、ロープロのスリングタイプです。リュックタイプも同様の大きさのものを購入したのですが、いずれも2気室構造であるものの、スリングバックは下部気室(カメラ機材収納部)が大きく、リュックタイプはやや上部気室(着替え等収納部)が大きいため、撮影となると、スリングバックのほうが使い勝手が良いのです。一泊旅に出るのであればリュックタイプのほうが使いやすいのでしょうが、一泊旅行となると車で行くことが多く、結果、スリングバッグはカメラ機材専用とし、別に着替え等を入れるバッグを準備することとなり、リュックはほぼ使用していないのが現状です。

 ショルダータイプのうち、ニコンのおまけでもらったものは、NEX-5と小型ビデオカメラ等、完全なファミリー仕様に徹するときにしか使用しておりません。

 ロープロの小型バッグは、かつてオークションでカメラを購入した時に、梱包資材としてやってきたものでした。これが、案外、使い勝手が良いのです。標準程度のレンズをつけたカメラ1台と、他にレンズ1本。小さいレンズなら、2本。ポケットが別に一つあり、そこに露出計とフィルムと、念のための交換電池。これで、いっぱい。

 ベネトンのカメラバッグは、今あるバッグの中では最も古いものになり、20年近く使用しています。きっかけは、中判カメラを使用し始めたこと。ブロニカS2(標準レンズ付き)と、レンズ3本、フィルムを収めるために購入しました。以降、かなり使っていたものの、ついに昨年、止め金具が壊れてしまい、退役を考えております。

 ドンケF2は、ベネトンのカメラバッグの後任候補として入手しました。手始めに、中古品です。以前から持っていた、と言い張るのにも中古品は都合がよいのです。本当に良いと思えたら、改めて新品を買おうと思っているところです。

 このカメラバッグは、報道カメラマンであったドンケ氏(米国人?)が、自身が使い勝手の良いカメラバッグを求めるあまり、作ったもの、ということになっております。その中でも、このF2はその初代にあたるもので、1970年代後半からほぼ形態を変えずに製造、販売され続けているものとなります。

 私がこのバッグに目を付けたのは、軽量であること。たったの1.2kg。キャンパス生地で、外部からの衝撃吸収性は乏しいとされていますが、私の性格上、ハードにバッグを投げたりぶつけたりすることはまずありませんので、十分と判断しました。

 

 届いたバッグを見てみると、思ったよりも小さく、中には、「レンズを4本収めなさい」と言わんばかりの田の字型に分かれたクッションがあります。正規販売店のホームページでは、レンズを外した状態のカメラボディーを左右に収め、真ん中に田の字型クッションを設置し、レンズ3本とストロボ(フラッシュ・スピードライト)を納めている写真が掲載されています。田の字型のクッションは、幅21cm、奥行き16cm、高さ20cm程度です(実測のため多少の誤差があると思います)。最近のものは中のクッションが取り外し可能となっているようですが、私が入手したものは均等4スペースに分ける仕切りがあります。

 そのため、直径が8cm(80mm)を超えるレンズは、非常に収納しづらいのです。この80mmとは、単純にレンズの口径ではなく、フードも含めた径となります。

 最近の標準ズームレンズでも、「高性能」とうたっているヤツは、77mmかそれ以上の口径です。小型軽量を売りにしていたはずのペンタックスが、最近発売した「標準レンズ」は、50mmF1.4でありながら、最大径80mm、重さは910gです。高性能をウリにしている、シグマ50mmF1.4は、最大径85mm、重さは815gです。さらに、フードが加われば、とてもとても、私のドンケF2田の字クッションには納まりません。

 

 私の感覚では、50mmF1.4は、フィルター径が49mmから55mm程度ではないかと思っておりました。私がよく使う、24mmF2.8、135mmF2.8、50mmF3.5マクロレンズも、みんな、ほぼ同じ太さ(135mmは他のレンズの2倍程度の長さ)です。これらであれば、レンズをつけた状態のカメラ本体1台と、他にレンズが4本、あるいは、3本+ストロボ(フラッシュ・スピードライト)が納まります。

 

 デジタルカメラの時代となり、レンズは巨大化、重量化の一途をたどっています。それは、画質への飽くなき追及を行った結果であり、手振れ補正機構や俊敏なオートフォーカス機能のためになった結果であり、一概に否定できるものではないことも十分承知しているつもりです。

 しかし、忘れていませんか。そのレンズを、持ち運ぶ必要があるということを。

 かつて、京セラが目指したコンタックスオートフォーカスのNシリーズを、みんなでレンズがでかい、でかすぎる、こんなにでかいの、だれが使うのかと言っていた(思っていた)ことを。

 

 私は、持ち運びに苦労するようなレンズは、要りません。