フィルムで写真を撮ってみませんか。

「フィルムを使う写真に興味を持つ人を一人でも増やす」ことが目標の一個人の活動

カメラの話 その7 マウント

 さて。

 

 個別の話を書き始めて、大変なことに気が付きました。とても大切な、「マウント」のことをお話ししていませんでした。

 

 マウントとは、カメラとレンズをつなぐ部分のことです。もし、初めにカメラをもらうことや実家から発掘することができなかった方は、カメラとレンズをセットで買うことになります。その時、このマウントというものが先々まで足かせになります。将来、他のマウントのカメラやレンズが欲しくなった時に、レンズやカメラが共用できなくなりますから。でも、ご安心ください。その時、どうしても欲しかったら、気が付いたら買っていますから。基本的に、同じメーカーのカメラとレンズの組み合わせでしか、使用することができません。基本的に、と付くのは以下の理由があるからです。

①アダプターにより、例えば、ニコンのレンズをキヤノンのカメラにつけることができる。

②同じメーカーであっても、途中で形状を変更しているために、第二世代のカメラに、第三世代のレンズが付かない、ということがある。その場合、第三世代のカメラに第二世代のレンズが付かない。

 

 ①は、ディープにはまっていくと必ず通る道ではないかと思います。最近はデジタル一眼のうち、ミラーレスカメラが増えてきたため、例えばソニーのα7シリーズなどには、アダプターさえあれば、いろいろなメーカーのレンズを古今東西、新旧関わらず使用することができるようになってきました。そのためでしょうか、若干、古いレンズであっても、特に数が少ないものについては値上がり傾向にある気がします。

 

 今回、丁寧にお話ししたいと思っていることは、②についてです。

 国内の主要カメラメーカーのマウントの移り変わりを五十音順でご説明申し上げます。

 

オリンパス

(所有機:OM-1、過去所有機:OM-2)

 第二世代から一眼レフカメラを製造。発売第一号機はM42ネジマウント(特殊自動絞りのため、互換性乏しい)のFTLであったが、その後のOMシリーズは一貫してオリンパスOMマウント。第四世代としてOM707というオートフォーカス機と、OM101というよくわからないマニュアルフォーカス機を発売したときに、これら2機種専用のレンズが数本発売された模様だが、初心者の方がこの2機種を手に取るとは思えないので、事実上、今、一般的に見られるオリンパスのカメラとレンズはマウントは一種類といって差し支えない。なお、流通量が少ないためか、比較的高価だとと私は感じている。

 

キヤノン
(所有機:F-1改、過去所有機:ペリックス、EOS5、EOS55、New EOS kiss、EOS kiss 3、EOS5DMark2(デジタル))

 第二世代から一眼レフカメラを製造。当初Rマウントと呼んでいたものがFLマウントになり、FDマウントと呼ばれるようになる。マウントの形状は同じように見えるが、機能に制限があるよう。FDマウントは同じマウント形状のまま、NEWFDマウントになる。ここまではマウントの互換があるよう。FDマウントはレンズのカメラ側に金属リングがあり、それで締め付ける形状(スピゴットマウント)となっている。締め付けるだけで、しっかりと装着できた感が乏しいので、私はあまり好きではない。なお、下の写真がFDレンズである。

f:id:film-camera-challenge:20171114220542j:plain

1980年前後からNEWFDマウントになり、レンズがワンタッチで脱着できるようになったが、いまだにその仕組みがよく理解できない。なお、下の写真がNEWFDレンズである。写真では見えないが、レンズの基部にレンズ取り外しボタンがあり、装着時には「カチッ」と音がするので、ちゃんと装着できている安心感があり、好き。

f:id:film-camera-challenge:20171114220645j:plain

 第四世代となり、EFマウントに変更。FDマウント、NEWFDマウントとは互換性がない。FDマウント、NEWFDマウントは流通量が多く、第四世代のカメラに使用できないことから安価で入手できる。

 

コンタックス

(所有歴なし)

 第三世代から一眼レフカメラを製造。途中、第二世代のものも作るが、その後、マニュアルフォーカスではあるがモーター巻き上げのカメラが主体となる。コンタックスYSマウントと呼ばれる。1996年には、マニュアルフォーカスレンズでオートフォーカスとなるAXという面白いカメラを販売。レンズを前後させてピントを合わせるのではなく、カメラの中でカメラを動かして、ピントを合わせるのだ。その後、本格的第四世代に合わせて、マウントをNマウントに変更。互換性なし。NマウントカメラはN1とNXの2機種のみで、使っている人は実兄一人しか見たことがない。レンズの径がやたら太く、中判カメラ用レンズのような姿である。Nマウントはあまり普及しなかったので、ほとんどのカメラ、レンズはYSマウントと考えて差し支えない。

 

ニコン
(所有機:フォトミックFTN、FE、F3、F4、F90XS、F80S、過去所有機:New FM2、F5)

 第二世代から一眼レフカメラを製造。当初より現在まで一貫して、ニコンFマウントである。しかし、1970年代後半に「Ai」という露出管理のための切り欠が付いたり、1980年代前半には「Ai-s」というレンズ明るさの指標や絞り制御の機能が付いたり、1980年代後半にはオートフォーカス化に合わせてCPUが搭載されたり、2000年になり絞りリングがない「Gレンズ」となったり、装着はできても機能に制限があったり、そもそも装着できない組み合わせも多数あるため、必ずしも利点のみではない。世代にあったものを使用する(せめて、第3世代以前と第4世代以降を分ける)ことが必要である。

 

ペンタックス

(所有機:KX、ME-super、LX、過去所有機:SP、K2、MX、MZ-3、MZ-5、istD(デジタル))

 第一世代から一眼レフカメラを製造する、国産一眼レフカメラのフロンティア。第一世代のアサヒフレックスシリーズはネジマウント(小口径)、第二世代のSシリーズと「K」はネジマウント(M42マウント)、1975年以降のKシリーズ、Mシリーズ、SFX、Zシリーズ、MZシリーズはKマウントと呼ばれる。Kマウントカメラには純正のマウントアダプターにより、M42マウントのレンズが使用できる。昔は1000円だったのだが、今は値上がりしているようだ。Kマウントの最大の利点は、レンズ取り外しボタンがカメラを保持した右手薬指を少し伸ばしたところにあり、ものすごく扱いやすいことだと思っている。

 

ミノルタ

(所有機:SRT-Super、X-500、過去所有機:XE、XD、X-700、α7000、α707si、α807si、α9xi、α9、αSweet)

 第二世代から一眼レフカメラを製造。第二、第三世代はSRマウントだが、機能の追加により、Autoシリーズ、MCロッコール、MDロッコール、NMDレンズと分かれる。第四世代となり、Aマウントに変更、それ以前のものと互換性なし。Aマウントは現在、ソニーデジタルカメラに受け継がれている。キヤノンと同じく、マニュアルフォーカス時代のレンズは、第四世代以降のものに使用できないため、安価で流通するものが多いが、キヤノンと比べると当時の販売数が少ないためか、レアものはびっくりするような高値となっている。初めて一眼レフカメラとして私が一押ししたいのは、ミノルタのマニュアルフォーカスカメラ、かも。

 

 国産の主要メーカーはこんなところだと思います。他にも一眼レフカメラを作っていたメーカーはたくさんあります。リコーやチノン、ペトリ、トプコン、コシナ、などなど。知ってはいますが、初めてカメラとして、もらうならともかく、そうでなければ一台目としては選ばないだろう、と思い、主要6メーカーとして上記のものについてご説明いたしました。

 

 これでこれから先のお話がしやすくなります。次はまた、個別カメラ紹介に戻ろうと思います。