さて。
今回は、フィルムカメラの集大成ともいえる第四世代のカメラです。
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ニコンのホームページにまだ掲載がありました、F80Dです。2000年発売、2006年に販売終了の、デジタルカメラの普及に伴い、廃版となったようなカメラですね。
露出もピントもフルオートにできる、お手軽一眼レフカメラではありますが、残念ながら我が家にはお手軽なオートフォーカスレンズがないため、薄型マニュアルフォーカスをくっつけております。ニコンカメラによくある、外装のゴム部分にべたつきがあり、グリップ部は白く変色しておりますが、中身は正常に作動しております。
カメラ本体は、驚きの、500円(税抜き)。
ニコンの中ではミドルクラスとして販売されていたカメラが、ワンコインで買えちゃったわけです。ジャンク品として売られていたのがたまたま幸運にも正常作動した、とも言えなくもないのですが、事実、ワンコインだったのです。
このカメラは、ピントを合わせられるポイントが5つあること、手振れ補正レンズで手振れ補正機能が作動すること(ニコンの古いオートフォーカスカメラでは手振れ補正機能が作動しない)、ペンタプリズムが使用され明るいファインダーであり、マニュアルフォーカスででもピント合わせが可能であること、小型軽量であること、内蔵ストロボがあること、などなど、非常に優秀なカメラだと思っております。
物足りないのは、マニュアルフォーカスレンズのうち、CPUを搭載していないもの(つまりはほとんど)で、オートフォーカス機能が使えないのはもちろん、露出計も動かないこと。連写速度が2.5コマ/秒と遅いため、シャッターを切った後、像が確認できるのが遅いこと、くらいでしょうか。概して、非常によくできたカメラといって差し支えないでしょう。
操作系も現行のニコンのデジタル一眼レフカメラの中級機と類似なのでわかりやすく、すでに操作系が完成していたことを表しています。なお、裏蓋部の違いで、フィルムのコマとコマの間にデータを記入できる、「F80S」という機種があります(本機はオーソドックスなF80Dです)。私はフィルム内に日付を印字することをいたしませんので裏蓋液晶は------の表示になっていますが、もちろん、日付を写しこむことも可能です。
裏蓋を開けると、フィルムのガイドレールが金属であることがわかります。ニコンのライバル会社であるキヤノンの中級機以下はプラスチックのままなので、銀色に輝くレールはありません。フィルムが直接触れる部分であり、摩耗するとピントがずれる恐れがあるため、ガイドレールが金属なのは安心要素となります。フィルムの感度設定、フィルムの装填、フィルムの巻き戻し、すべてオートですので、非常に簡単で失敗する可能性もほぼありません。
ニコンF80Sをまとめますと、このようになりました。
携帯性は、軽いもののグリップ部が大きく意外とかさばるので2点減点。
デザインは、オーソドックスなため、良とも悪とも言えず、2点減点。
質感は、プラスチックの安っぽさがあり、また、外装ゴムが劣化してべたべたした個体や白っぽくなった個体がほとんどなので3点減点。
操作感は、連写速度が遅く、ミラーの動きが緩慢で音の歯切れも悪いので3点減点。
ファインダーは、暗い上にピントが見えにくく、本当にペンタプリズム乗っているの?という感じなので3点減点。
入手のしやすさは、500円で完全動作品が購入できたので満点。
堅牢・修理は、見るからに軟弱そうで、ぶつけると壊れそうであり、また、すでに修理不能とのことなので3点減点。でも、意外と壊れているものを見かけないのは、あまり売れなかったからか??システム力は、ニコンマニュアルフォーカスレンズが装着できるも露出計が動かず使いづらいことから、実質使うことは困難と思い、2点減点。しかし、手振れ補正レンズが機能するのは魅力的なのです。
デジタル一眼レフカメラと比べ、軽量で薄型、自動化の程度も差異は少なく、非常に扱いやすく、また、とっつきやすい、フレンドリーなカメラなうえにリーズナブル。こんなカメラを見逃す手はありませんね。オートフォーカスのレンズであっても、特に初期の、ズームレンズであれば、あまり人気がないので、ワンコインで購入することは不可能ではありません。となると、カメラ、レンズ合わせてランチ程度で入手、使用できます。このカメラの使用する電池はCR123Aという使い切りリチウム電池×2本なので、電池代のほうが高いかもしれません。
まったくフィルムカメラを使ったことがない、ということであれば、まずはフルオートでの撮影が可能なこのようなカメラからフィルムカメラ生活をスタートしてみてもよいのではないでしょうか。このF80Dには、よくあるトラブルの情報もないので、いいものと巡り合うことさえできれば、長い間連れ添うこともできると思いますよ。