さて。
ニコンしか所有したことがなかった私が、ペンタックスLXを手にしてしまいましたが、さらに、カメラの世界に引きずり込まれることが起きました。
当時、インターネットサイトで、個人様が各メーカーを称賛する(ような)内容のホームページを多数立ち上げつつある時期でございました。その中の掲示板(情報交換をする場ですね)で、意気投合した方が、実はすぐ近所に在住する、同い年の、同じ大学に通う学生であるというミラクルが起こりました。
彼は、私にとって初めての、カメラを趣味とする友人となりました。彼は、彼の両親の影響で、ミノルタのマニュアルフォーカスカメラを主に使っていました。
私は、ミノルタのマニュアルフォーカスカメラは、オートフォーカス化したときに切り捨てられた、取るに足らないものであると思っておりました。その根本は、ある有名初心者向けカメラ雑誌に、当時まだ販売されていた「ミノルタX-700」が、「このカメラ、まだ販売されていたの?」とか、「このカメラの存在価値がわからない」などと、酷評されていたことにあります。
初めて触ったミノルタX-700は、時代遅れな1/1000秒シャッターしか搭載できていないうえに、プラスチックの外装によるチープさ満載で、その酷評通りと感じました。しかし、ファインダーを覗くと、なんという世界でしょうか、明るくすっきりとした、一日中見ていられる、その中だけで完結できる世界といえば良いのでしょうか、当時、まだ、LX2000用ナチュラルブライトマット発売前ではありましたが、そのわずか前に感動した、LXのファインダーをはるかに凌駕する新しい世界がございました。
その数日後、X-700を購入したことは言うまでもありません。不人気というおまけのおかげて、交換レンズもまた、一本1万円以下という、ニコンやペンタックスでは考えられない価格で、小躍りしました。
しばらく愛用しておりましたが、マニュアル露出で設定したシャッタースピードがファインダー内でわからないこと、プログラムモードでは「パリッ」とした心地よいシャッター音が、私が多用するマニュアルモード、絞り優先モードでは「クシュッ」というなんとも頼りないシャッター音になることから、X-500へと買い替えし、現在まで所有しております。
film-camera-challenge.hatenablog.com
21世紀になった後に、ミノルタのマニュアルフォーカスは終焉を迎えます。終焉の際に、あわてて、新品のマニュアルフォーカスレンズ、NMD24mmF2.8、NMD50mmF3.5マクロ、NMD135mmF2.8を購入し、その後もコツコツと中古レンズを買い集め、一部使わない望遠レンズを整理したものの、超広角17mmF4から135mmF2.8まで、一そろえ有しており、いつでも、最高のファインダーを堪能できる準備をしております。
また、彼は、キヤノンNewF-1もまた愛用しておりました。私は、1980年代前半プロ機3種のうち、ニコンF3とペンタックスLXは有するものの、キヤノンNewF-1までは手が回らず、いまだ所有に至っていないことを、常々うらやましく思っております。ただ、キヤノンMFレンズは標準レンズ2本しか有していないため、さらにレンズを増やしてしまうのも・・・とか、4LR44(4SR44)電池は高いから、とか、様々理由をつけて、何とか踏ん張っております。
昨年、仕事で母校に立ち寄った際に彼と一杯呑みましたが、その時、彼はライカなるレンジファインダー機を下げておりました。中央部分でしかピントが合わせられず、接写や超広角、望遠にも対応できないレンジファインダーという制限に、私が寛容になれる日は来るとは思えず、彼がずいぶんと大人に見えました。
ちなみに、カメラに興味を持っていない我が配偶者には、私が急逝した際には、カメラ一式を彼に渡すように、彼には我が配偶者からカメラ一式が届いた折には適当に売りさばき、半額を配偶者にバックするようにとお願いしております。 そうしないと、大量のカメラを残されても、始末に困りますからね。