フィルムで写真を撮ってみませんか。

「フィルムを使う写真に興味を持つ人を一人でも増やす」ことが目標の一個人の活動

カメラの話(個別第十六回) ペンタックスK1000(第二世代)

 さて。

 

 ようやく一本目のフィルムを撮り終えました、「娘のカメラ」、ペンタックスK1000です。

(参考) film-camera-challenge.hatenablog.com

 

 カメラ紹介の記事を書くのもずいぶんと間隔が開いてしまいました。その間、何も買っていないかというとそういうわけでもないのですが、そのまま通り過ぎて行ったものも多くあり、書くことには至れなかったのです。

 

 今回入手しましたK1000ですが、非常にシンプルなカメラです。機械式、布幕横走り式シャッターで、電池がなくても(露出計は動かないけれども)撮影可能なタフガイです。

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K1000正面

 前から見ると、あるのはレンズ取り外しボタンと、シンクロターミナルのみ。はて、このカメラでシンクロターミナルを必要とする人がどれくらいいらっしゃるのでしょうか。

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K1000上面

 上から見ても、フィルム枚数表示付きの巻き上げレバー、シャッタースピードダイヤル、シャッターボタン、フィルム感度設定ダイヤル付きのシャッタースピードダイヤル、左側に巻き戻しクランクのみ。ストロボのシューはX接点がありますので、汎用品のストロボ(フラッシュ、スピードライト)を取り付けるだけで発光します。た

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K1000背面


 背面には全く何にもなし。

 非常にシンプルです。何も悩むことはありません。フィルム装填時に感度を合わせて、撮影時にはピント、絞り、シャッタースピードを合わせてシャッターボタンを押すだけ。悩む要素もありません。

 

 残念なのは、ファインダーです。兄弟機の上位機種であるKXと比べて、圧倒的にファインダーが暗く、青味がかかっています。そのため、ピント合わせが難しいです。これは、KXは銀蒸着、K1000(KMも)はアルミ蒸着のための様です。

 

 ペンタックスK1000をまとめますと、このようになりました。

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携帯性は、大振りなので2点減点。しかし、重さはあまり感じません。

デザインは、シンプルでありながら堂々としており、(価格を考えると十分に)満点。

質感は、大振りのわりに軽く、持った時に違和感があるので2点減点。K1000でも前期型である本機は外装が金属製ですが、後期型になると外装がプラスチック製になっていたようです。プラスチック製のものはより軽いとの情報もあるため、後期型はさらに質感は低いかもしれません。

操作感は、巻き上げ、シャッターの感触は良いのだが、絞り、シャッタースピード共にファインダー内で確認できず、軍艦部やレンズを確認する必要があるので2点減点。

ファインダーは、暗く、見えにくく、操作感とも重複しますが、非常に機能的とは言い難いため、3点減点。

入手のしやすさは、20世紀末まで新品販売されていたもののすでにそれから20年経過し、安物機種の宿命か、保存状態が悪いものが多く、良いものはなかなか入手しづらいため、3点減点。

堅牢・修理は、大ヒット機のペンタックスSPシリーズとシャッターの構造は似通っていると思われることから中古パーツも多くあると見込まれ、町の修理屋さんでほとんどの修理が可能と見込まれることから1点減点。

システム力は、Kマウントのレンズはもちろん、アダプターでそれ以前のM42マウントのものも全く差し支えなく使用できるが、本体に拡張性がないため1点減点。

 

 初めてのマニュアルフォーカス一眼レフカメラには非常に向いていると思いますが、欠点は、ファインダーの悪さですね。少々絞り込んで撮影するということであれば問題ないのでしょうが、F2程度でも暗く感じ、屋内でのピント合わせはかなり困難です。

 いつか、ジャンク品ペンタックスSP等からペンタプリズムがトレードできれば良いな、と思ってしまいます。

 しかし、良いものがあれば、また、適正価格であれば、使い勝手の良い、使いつぶすまで使えるであろう、シンプルで良いカメラですよ。