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カメラの話(個別第七回) ペンタックスME-super(第三世代)

 さて。

 

 2018年になりましたが、大変冷え込んでおり、カメラを持ち出す意欲も落ちています。金属外装のカメラは冷たく、こんな季節にはプラスチック外装のカメラがウレシイです。しかし、プラスチック感満載の

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では、ちょっと質感が不足し、残念です。

 

 今回紹介のカメラは、ペンタックス製のME-superです。まずは外観から。

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しっかり見ても、金属外装に見えますが、上蓋、下蓋ともに、金属のひんやり感はありません。

 絞り優先オート専用機だったMEに、マニュアル露出ができるよう、シャッタースピード調整用のボタンが追加になり、シャッタースピードの最高速度も1/2000にアップしております。とても小柄で、使いやすいカメラです。レンズもまた小型のものを合わせると、コートのポケットにも入るサイズです。

 

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 シャッターボタン周囲のダイヤルを、「AUTO」に合わせると絞り優先オートに、「M」に合わせるとマニュアル露出になり、ペンタ部右側の前後に並ぶボタンでシャッタースピードを調整します。「125X」がストロボと連動する最高シャッタースピードの1/125に固定するもので、電池がなくなってもこのシャッタースピードでは撮影が可能です。「B」はバルブ露出、押している間ずっとシャッターを開いているもので、これもまた電池がなくても作動します。マニュアル露出は、使えるけど使いにくいってのが実際のところです。

 巻き戻しクランクの周りに露出補正ダイヤルがありますが、1段刻みでしか調整できません。シビアな露出調整には向かないカメラです。裏を返せば、シビアな露出調整は必要ないネガフィルムに非常に向いているカメラでもあります。

 では、どれくらい小型か、今までに登場した中で最も小さいオリンパスOM-1と比べてみましょう。

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 高さ、厚みはあまり変わりませんが、横幅は明らかにME-superのほうが小さいです。

 注意点は、巻き上げが不調の個体が散見されること。実は、私のカメラもその症状があり、巻き上げレバーがスカスカでした。中の小さな樹脂製部品が劣化してボロボロになり、巻き上げ完了後にかかるストッパーの役割を果たせなくなったことによる症状、と聞きました。おそらく、どの個体もこのリスクがあるので、近年にオーバーホール歴のないものは、近々発症すると思われます。

 ME-superをまとめますと、このようになりました。

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携帯性は、文句なしの満点。

デザインは、整っているとは思うものの、シャッタースピードダイヤルの代わりにボタンとなっているところに若干の違和感があり1点減点。

質感は、ぱっと見はわからないものの、プラスチック製と知ってしまったので2点減点。

操作感は、巻き上げレバーにジャリジャリ感があり、2点減点。

ファインダーは、倍率が大きいのですが暗いため、1点減点。

入手のしやすさは、市場に多く存在するものの程度が良い品は少なくなってきているので1点減点。

堅牢・修理は、巻き上げに弱点があること、年月が経ち電子部品の修理は絶望的なので、3点減点。

システム力は、多くのペンタックスレンズやネジマウントのレンズも簡単に安いアダプターで使えるので満点。

 

 このカメラで、最も不満なのは、ほぼ絞り優先オート機であるにもかかわらず、絞り込みボタンがないこと。ネジマウントレンズを装着すれば実絞りになり、このことは気にならなくなりますが、ファインダーが暗いのに、さらに実絞りで暗くなってしまい撮影に支障をきたしてしまいます。しかし、私はこのカメラに装着するのは、写真の薄型軽量廉価型A50F2レンズか、ネジマウントレンズにしております。ネジマウントレンズは小さくて扱いやすいレンズがたくさんありますので非常にバランスが良いです。ただ、今の時期、ネジマウントレンズの金属製ピントリングを素手で扱うのはつらいです。

 結論としましては、クラシカルな面影で、露出にオート機能もあり、初めて一眼レフカメラにお勧めできる一品です。

 

 続編追加しました。

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