さて。
私には今年小学一年生になった娘がいるのですが、最近、やけに私の真似をしたがります。雨の間をくぐって写真を撮りに行こうとすると付いてくるし、数日に一回、将棋をしようと言ってきます。
娘が3歳のころ、サンタさんがクリスマスプレゼントに、ニコンのデジタルカメラを持ってきてくれました。
https://www.nikon-image.com/products/compact/lineup/w100/
お出かけのたびに結構持ち歩いており、しかし、動画を撮ることが多いのでほぼ静止画はありませんが、まだまだ使えそうなものの、若干くたびれても来ました。
先日来、ハッセルブラッドを撫でまわしている私を見て、「カメラが欲しい」と言い出しました。娘の希望を聞いてみると、我が家で最も古いクラスの、ハーフサイズ一眼レフカメラ「オリンパスPEN-FV」でした。
(参考)
film-camera-challenge.hatenablog.com
PEN-FVは、私も大変気に入っているものの、露出計は外付けで、ファインダーは暗く、システムの絶版から久しいために交換レンズの入手にも難儀するカメラです。アダプターでオリンパスOMレンズが装着できるようにしているものの、OMレンズを装着すると今度は外付けの露出計がつけられません。
現在、私の所有する一眼レフシステムのうち、レンズが一揃えそろっているマウントは、ニコンF、ミノルタSR、オリンパスOM、M42です。デジタル一眼レフカメラはニコンしか持っていないため、主軸はニコンになりつつあります。
ニコンのフィルムカメラのうち、故障リスクが低く、入手がしやすいものとして、FM10があります。どうやら昨年、生産中止になったようです。
https://www.nikon-image.com/products/slr/lineup/fm10/
当初、このカメラを買おうと思っておりました。しかし、外装も内張もプラスチック製で、シャッターはユニットの縦走りシャッター、機械式カメラとはいえ、とても頑丈とは言えそうもないことに不満がありました。
私が娘に用意したカメラは、ペンタックスK1000です。ペンタックスKシリーズカメラの末弟で、私の超お気に入りのKXの弟分に当たります。海外向けには1976年から、国内向けには1986年に発売されたカメラです。機械式シャッターであることから天体写真家に愛用され、20世紀末まで新品が流通しておりました。ベースとなったのは1960年代にヒットしたペンタックスSPの系統と言われており、布幕横走り式の非常にオーソドックスなカメラです。
(参考)
film-camera-challenge.hatenablog.com
さらに、私が入手したものは、前期型で金属外装の日本製もの。カメラとしての風格を十分に持っております。
K1000で不満な点はただ一つ、絞り込み(プレビュー)機能がないことです。これがないため、せっかくの一眼レフカメラでありながら、レンズを絞り開放状態で撮影する場合を除いては、被写体深度、すなわち、ピントが合っている~ボケている範囲がわかりません。ペンタックスME-Superにもこの機能がないため、ペンタックスはあまり重要視していなかったのかもしれません。
(参考)
film-camera-challenge.hatenablog.com
ペンタックスKマウントレンズは、大口径の評判のよいレンズを多く持っておりましたが、軍縮計画と緊縮財政の中、その多くを手放してしまい、今、手元に残っているのはA50mmF1.2(LXにつけっぱなし)と、FA100mmF2.8マクロ(無愛想な外観ながら、めちゃくちゃボケ味や発色がよく手放せない)、A50mmF2(ME-superにつけっぱなし)の3本しかありません。
しかし、SMCタクマー時代のM42マウントレンズは、17mmF4魚眼から200mmF4まで、一そろえありますし、おそロシア製の変なレンズもありますから、それらをアダプターで装着すれば、大体のレンズの雰囲気程度はわかることでしょう。
何より良かったのは、娘が「ホンマもののカメラだ!」と喜んでくれたこと。しばらくの間は空シャッターを切らせてみて、「ピントを合わせる」「露出を合わせる」ことが理解できたら、フィルムを詰めて自由に撮らせてみたいと思います。