さて。
4月から転勤になり、毎日、往復100km、2時間半ほど自動車通勤をすることになりました。結局、まだ、バイクでは2回しか通勤できておりません。
(参考)
film-camera-challenge.hatenablog.com
新たな職場には20名ほどの同僚がいるのですが、うち一名、自転車通勤している「A」が実は一眼持ちであることを偶然知ってしまいました。
Aは、ニコンZ6にアダプター+Fマウントの28-300?のズームをつけ、DXクロップして、野鳥を撮影しているようです。しかし、Aの撮影フィールドは大きな川で、しかも河口に近く、300ミリでDXクロップしても、ごくごく小さくしか写らないのがAの悩みのようです。
しかし、Aは自動車、バイクを持っておらず、通常の交通機関は自転車とバス列車のみ。残念ながら地方のバス列車の便数は少なく、実質、撮影の際のアシは自転車しかないので、三脚を常備することは不可能のようです。
だが、Aは、もっと大きく野鳥を撮りたいとの希望を持っていました。
第一の提案は、レフレックスニッコール500mmF8の導入です。反射レンズであれば小型軽量で、最新ミラーレスであればISO感度もあげられることから、手ブレ、被写体ブレもある程度抑えられるはず。しかし、Aは、レフレックスレンズのドーナツボケがどうにも受け入れられないようです。
第二の提案は、野鳥用にソニーRX10シリーズの導入です。RX10Ⅲを兄が有しており、その万能性は知っておりました。これなら単体で、600mm相当までイケます。しかし、現状、300mmのDXクロップで実質420mm相当でも米粒のように小さくしか写らないものが、600mm相当となったところで劇的に大きく写るわけでもなく、また、10万円をこえる出費はAにとって大きい(はず)ですので簡単には勧められません。
2日2晩悩みました。
その結論は、ニコン1シリーズ、中でもファインダー付きのV1、V2の導入です。
実は、私の子供が今年、小学校へ進級しました。今年度できるかどうかわかりませんが、運動会で使うレンズを何か買おうと思っていたのです。
今までの保育園の運動会ではタムロン70-300を使用しておりましたが、小学校になると運動場は4倍くらいの面積になると思われ、とてもこのレンズでは豆粒程度にしか写らないだろうから、もっと長いレンズが欲しいと思っておりました。
しかし、私の防湿庫は満員電車。レンズの上にレンズを置く愚行をしてかろうじて納まっている状況です。その中に、例えば500mmまでのズームレンズを入れるとなると、何本かのレンズとはサヨウナラせねばなりません。
ニコン1V1であれば、私が使っているニコンD750とバッテリーが共有でき、Fマウントのアダプターを買っても3万円程度であり、2.7倍の焦点距離になれば、70-300mmのズームレンズが189-810mm相当になり、さすがに大きく撮れるでしょう。1000万画素ちょっとのようですが、プリントしてもA4サイズまでですし、十分です。また、日中の屋外での撮影ですから、ISO感度を極端に上げる必要もないですので、マイクロフォーサーズよりも小さいCMOSでも十分に対応できるはずです。
そう、そのとおりです。AにニコンV1を勧めているうちに、Aが買う前に、私が買っちまったのです。
NEX-5をお散歩カメラにしていたものの、ファインダーが無いため、明るい日中は液晶がちゃんと見えず、イライラしており、ファインダーがあるNEX-6かNEX-7を購入しようかなと思っておりました。購入したニコン1V1には、薄い10mmのレンズも付いてきましたので、お散歩カメラとしても十分使えます。
後は、Fマウントのアダプターを購入すれば、運動会に対応できます。
運動会専用では不憫ですが、お散歩カメラにもなり、また、外装は大好きな金属製。
私のカメラ遍歴は、家にニコンF3があったため、ニコンから始まりました。
そのうち、ペンタックスにはまり、ミノルタを増やし、ゼンザブロニカの中判カメラを使い、ペンタックスのデジタル一眼レフを購入し、キヤノンのデジタルカメラに乗り換え、ソニーのミラーレスデジタルカメラを買い増しし、オリンパスのフィルムに戻り、キヤノンのデジタルカメラをすべて手放してニコンのデジタルカメラを購入し、現在に至っております。
もしかしたら、ソニーのミラーレスをニコンのミラーレスにすれば、フィルム、デジタル一眼レフ、デジタルミラーレス(現行とニコン1シリーズ)がすべてアダプターである程度の互換が保たれる、ニコンシステムができるのではないか、ということに気づかされました。
Aにカメラを勧めることで、私がデジタルカメラを買うこととなりました。これがまさに、ミイラ取りがミイラになる、ってやつですね。
Aは平成生まれ。フィルム自体になじみが薄いようで、6×9の中判フォーマットのポジフィルムを見せても、「(写っている子供を)かわいいですね」というコメントしかなく、透過原稿の美しさや、撮影成果がデータではなく質量をもった「物」であることの魅力を感じず、さらには「写ってなかったら嫌だし~」という、デジタルですぐに確認できることが当たり前だと思っているようで、なかなかフィルムカメラを勧めることが難しいです。
おそらく、Aと仕事をするのはこの1年間だけでしょうからこの1年以内にフィルムの良さを布教できればと思っております。