フィルムで写真を撮ってみませんか。

「フィルムを使う写真に興味を持つ人を一人でも増やす」ことが目標の一個人の活動

カメラの話(個別第十八回) ペンタックスZ-1P(第四世代)

 さて。 今回も、プラスチック製外装のオートフォーカス一眼レフカメラです。このZ-1Pは、20年近く前に主力機で使っていたものの、機材縮小のために放出し、今回再び入手したものです。その再入手に至ったわけとは・・・・

 

 ペンタックスは、ミノルタα7000が1985年に発売されたことを受けてか、1987年にオートフォーカス一眼レフカメラ「SFX」を発売し、SFシリーズを展開するも(おそらく)売れ行きは悪く、1990年ごろからZシリーズを展開しました。その中の集大成、最上位機種が1994年発売のこのカメラ、Z-1Pです。

 その翌年にはシャッターダイヤルと絞りリングによる操作性に回帰したMZ-5が発売されたことから、残念ながらペンタックス社からは見切られた操作性という感は否めませんが、先進的な操作性であり、現行のペンタックスブランドの一眼レフデジタルカメラの祖であるといっても過言ではありません。

 まずは、正面写真から。

f:id:film-camera-challenge:20200822231015j:plain

 レンズが付いていないのは似合うレンズがなかったから。整理前には、FA50F1.4やFA50F2.8マクロといったお似合いのレンズがあったものの、手放してしまい、オートフォーカスレンズはFA100F2.8マクロしかなく、レンズの存在感が強すぎで、外しました。

 しかし、FA100F2.8マクロは、発色、ボケ味、ピントリングの重さが変えられる操作性、完ぺきなレンズであると私は思っております。

 正面からの見た目はやたら頭部分が平たく、横幅があるカメラだな、という印象でしょう。横幅は広いものの、そう大柄と感じることもなく、重さもさほどありません。持ちやすく、手ごろなカメラといった印象です。

f:id:film-camera-challenge:20200822231042j:plain

 その平べったい頭部分には、前側にストロボが、後ろ側には液晶表示があります。左側にモードダイヤルがあり、設定した項目に矢印を合わせ(矢印に、設定したい項目を合わせる、というのが正しいところでしょうか)、ボタンを押しながら右手側のダイヤルで設定する、というスタイルです。暗闇での操作は絶望的ですが、暗闇で操作することはあまりないでしょうから、さほど不便でもありません。

f:id:film-camera-challenge:20200822231031j:plain

 ストロボは結構有能で、ガイドナンバーは14、画角は28mmをカバーします。最高シャッタースピードは1/8000秒、連写速度は4コマ/秒と、ペンタックスオートフォーカスカメラではトップの性能を誇ります。

 

 連写なんて、フィルムが高いからしないし、遅くてもいいじゃん、と思ったアナタ!

 連写はしなくても、連写速度が速い=ミラーが戻るのが速い&ショックが少ない→見えない時間(ブラックアウトタイム)が短いことや、左手に来るミラーが戻った時のショックがないことは、大いなるメリットがあります。一眼レフカメラのデメリットは3悪、大きい、うるさい、ミラーショックが大きいである、と、有名なカメラ開発者様もおっしゃっていることですからね。

f:id:film-camera-challenge:20200822231055j:plain

 このカメラの最大の特徴は背面右上左側ボタンの「IF」です。
「ハイパー」なヤツです。これだけ使いこなせたら、あとのボタンは不要です。

 

 Z-1、Z-5シリーズの特徴は、ハイパー露出制御です。ハイパープログラムと、ハイパーマニュアルです。何度も「ハイパー」と連呼するのが恥ずかしいですが、使いやすいことは間違いないです。そして、この操作性は、今のペンタックスブランドの一眼で不デジタルカメラの「グリーンピー」に当たります。この呼び方も何とかならないのでしょうか。

 ハイパープログラムは、露出モードを「HYP」というものにし、露出を固定したまま、前ダイヤルでシャッタースピードが、後ダイヤルで絞り値が調整でき、あたかも、シャッタースピード優先AE若しくは絞り優先AEになり、IFボタンを押すと元のプログラム露出に戻る、というハイパーなシステムです。

 ハイパーマニュアルは、露出モードを「HYM:というものにし、前ダイヤルを回すと絞りとは固定したままシャッタースピードが変化、後ろダイヤルを回すと絞り値が変化する、IFボタンを押すと元のプログラム露出に戻るというハイパーなシステムです。さらに、「ML」ボタンを押すと、露出を固定してシャッタースピード/絞り値をいじる、「HYP」的な使い方もできます。私は、常に、HYMにしております。めちゃ使いやすいです。

 そして、スペック上出てこないこととして、ファインダーが秀逸です。ナチュラルブライトマットという、LX2000に搭載された優秀なファインダースクリーンが搭載されています。ファインダーの隅々でもピントが合わせられる、しかし、明るい、非常に優秀な性能を有しています。LX2000に搭載されたのちにLX用に単体販売されたものの、現在中古市場では万単位の金額が付いていることからその性能は皆が認める処でしょう。その同等のフィアンダー性能を有している、と言えます。

 

 ではなぜ、私はこのカメラを手放したのでしょうか。

・ミラーのショックが大きく、バタバタする。

・右側に、視野内に出っ張る表示がある。

 この二点に尽きます、特に、私は視野内に出っ張る表示が大嫌いです。同じ理由で、ペンタックスMZ-3も手放しました。しかし、Z-1Pのでっぱりは微々たるものです(MZ-3のはまだ許せていない→再購入に至っていない)。小型化を優先するためにはやむをえなかったのかもしれませんし、古くはペンタックスMXにも視野内へのでっぱりがあったので、あまりペンタックス社では重要視していなかったのかもしれません。

 

 では、ペンタックスZ-1Pをまとめますとこのようになりました。

f:id:film-camera-challenge:20200822231135j:plain


 携帯性は、重さはないものの幅が広く、大柄なため2点減点。

 デザインはカエルのようで、あまり格好がいいとは思えないので2点減点。

 質感もプラスチッキーなので2点減点。ミラーショックも大きいです。

 操作感は、前述の通りハイパーな奴が秀逸なので満点。手になじむと超使いやすいです。

 ファインダーはスクリーンが優秀でピント合わせは容易ですが、視野内へのでっぱりがどうしても許せないの2点減点です。気にならない方には満点でしょう。ミノルタαー9や、ニコンF4と張り合えるピント合わせのしやすさと思いますよ。

 入手のしやすさは、販売終了から20年近くが経ち、良品は少ないものの、当方は格安で購入できたので1点の減点としました。

 堅牢・修理については、当時のペンタックスオートフォーカスカメラの最上位機種で持病も聞かないことから壊れにくいとは思われるものの、修理は絶望的と思われるため、2点減点としました。

 システム力は、ペンタックスKマウントはマニュアルフォーカス時代から今のデジタル時代まで一貫して頑張ってくれており豊富なレンズ群があるものの、レア物はとてもレアで高価なことから1点の減点としました。

 

 このカメラは、扱いやすく、また大きさもそれなりにあるために風格もあり、現に(過去に)ペンタックスのアタマも張っていたカメラですから、魅力は大いにあります。特に、ペンタックス社製一眼デジタルカメラユーザーにとっては、MZ-3と並んで必帯のカメラではないでしょうか。

 

カメラの話(個別第十七回) ニコンF70DP(第四世代)

 さて。20年以上前に買うかどうかを悩んだカメラをようやく買いました。ニコンF70DPです。まずは正面写真から。

f:id:film-camera-challenge:20200822231106j:plain

 このカメラは、私が高校生の時に非常に魅力的で、最終的に購入したF90XSと最後まで悩んだカメラでした。

(参考) 

film-camera-challenge.hatenablog.com

film-camera-challenge.hatenablog.com

 

 ニコンオートフォーカスカメラを販売し、当初はF〇01シリーズ(F501に始まり、F801やF601、F401など)を展開し、その次の世代としてF〇1シリーズを出した、中級機種になります。上位機種にF90(改良版のF90X)が、エントリー機種にF50Dがありました。キャッチフレーズは「人への優しさをめざした、フラッシュ内蔵AF一眼レフ。」うりは、(カタログより私見でチョイス)

1見やすい大型液晶表示パネルの心地よい操作性

2静かな操作音

3素早く確実なオートフォーカス

4光の状態を知る3D-8分割マルチパターン測光

5感性にこたえる多機能スピードライト

6想いを形にするイメージプログラム

上部からの写真です。

f:id:film-camera-challenge:20200822231114j:plain

 光が反射して見えにくいのですが、右手側に「1」のうりのための大きなカラー液晶があります。左側の「FANCTION」ボタンを押しながら、液晶下のダイヤルを回して設定する項目を選び、「SET」ボタンを押しながら液晶下のダイヤルを回して設定する、という二段階の設定方法です。この操作方法はF70D独特(唯一)のものであり「難解」「わかりにくい」「煩雑」と総すかんを食らいました。

 実際に使ってみると、さほど操作性が悪いとは思いませんが、一点、露出補正については最悪と言わざるをえません。ファインダー内、外部液晶共に、露出補正を行った時には小さな±が書かれたアイコンが表示されるだけなのです。いくつ補正したのかもわからず、そもそも補正していることを忘れそうです。

 「2」の静かな操作音は、さほど静かにも思えません。時代柄、オートフォーカスレンズのほとんどは本体内のモーターをシャフトやギアで連結させ、レンズを伸び縮みさせてピントを合わせておりその音は最近の静かなレンズに比べるとけたたましい音を奏でます。ミラーも「パッタン、パッタン」と結構大きな音がします。本カメラが発売された20世紀末において、無音オートフォーカスレンズをすでに販売しており、また、非常に静粛なEOS10を製造していたキヤノンには及ばないと思います。

 「3」の高速オートフォーカスは、上位機種のF90Xよりも新しい測距素子を持っており、当時としては高速かつ正確だと思います。

 「4」「5」共に、間違いなく、精度が高い露出コントロール機能を持っております、内蔵スピードライトは上位機種F90Xにはなく、外付けスピードライトを使用しなければなりません。この点はF70Dのほうが優れていると言えます。

 「6」のイメージプログラムは、「ポートレートモード」や「スポーツモード」など、8種類のカメラが最適と思われる絞り値とシャッタースピードをコントロールしてくれる機能です。私は使う機会がありませんが、使う人にとっては便利なのではないでしょうか。ちなみに、F90Xにもイメージプログラムが7種類搭載されていたようです。一度も使ったことがありませんので、初めて知りました。

 

 このころのニコンのカメラは、表面のゴム様の素材が劣化し、ネチャネチャしているものがほとんどです。このカメラも多分に漏れず、その症状が出ていました。しかし、(今はなかなか入手しづらいですが)アルコールをキムワイプにつけてゴシゴシすると、結構綺麗に取れます。その代わり、てかてかにはなりますが。写真はゴシゴシ中のものです。ちなみに、日付写しこみ機能と、パノラマ写真撮影モードがあります。 右手親指下のくぼみがいい感じで、持ち心地は良いです。

f:id:film-camera-challenge:20200822231122j:plain

 

 では、ニコンF70DP まとめますと、このようになりました。

f:id:film-camera-challenge:20200822231148j:plain



携帯性は、スピードライト内蔵、本体重量600gは魅力的ですが、厚みがあるので一点減点。

デザインは、前から見ても上から見ても後ろから見てもスタイリッシュ。飛び切り上等とまでは言えないので一点減点。

質感は、中級機種とはいえプラスチック感満載の上、裏蓋がべたべたするので2点減点。

操作感は、たぶん、このカメラのみ使い込めば抵抗はないと思われるものの、慣れるまでの時間と前述の露出補正のことがあり1点減点。

ファインダーは、ピントの見え方や倍率は優秀。ただし、上位機種と同じとはいえ、視野率が92%と低いので1点減点。値段の割にはかなり頑張っていると思います。

入手のしやすさは、有れば安いのですがあまり売れなかったのか現存機が少ないので一点減点。

堅牢・修理は、壊れると修理できないこと、私が入手したものはバッテリー蓋が破損していた(簡単にDIYできました)ので4点減点。

システム力は、Ai化されていればマニュアルフォーカスのニコンレンズで露出計が動き、何と言っても内蔵スピードライトで手軽に撮影できるので、満点!

 

 このカメラの事実上の後継機種であるF80Dでは、もちろん、オートフォーカスが多点化されるなどの進化があるものの、連写スピードが3.7コマ/秒から2.5コマ/秒に、スピードライトの光量が14→12にと、スペックダウンしたことがあります。

(参考) 

film-camera-challenge.hatenablog.com

 それ以上に困るのはマニュアルフォーカスレンズでは露出計が動かないことです。マニュアルフォーカスのニコンカメラやニコンレンズを運用し、かつ、スピードライトが内蔵のカメラとなると、このF70Dと、このカメラの旧機種F-601しかないかと思いますが、F-601は、CR-P2という変わったバッテリーを使用するカメラでしたので、このバッテリーの入手が困難なのではないかと思われます。このF70Dは、CR123Aというリチウム電池2本で駆動しますが、私はこの電池互換の充電用電池を入手し、すでに長く使っております。

 

 私は、バッテリー蓋の破損がありましたが、このカメラを、税込みワンコイン以下で入手しました。20年余り前に、買うか、買わないか、穴が開くほどカタログを見たカメラでしたので、少し寂しくなりました。

 これからは、サブ機に最適と思っておりますので、中判カメラやデジタルカメラとともに持ち出したいと思います。

フィルムのこと

 さて。今回はフィルムのお話です。

 

 最近私が多用している、135判フィルムは、フジフィルムの「フジカラーC200」です。このフィルムには以下のメリットがあるのです。

1 他のフィルムに比べて安い!とはいえ、一本500円を超えていましたが。

2 ISO200がちょうどいい。室内でもなんとか撮れるし、屋外でもある程度絞りが開けられ、意外と使いやすい。

3 デジタルカメラと併用するとき、基本感度ISO200のカメラ(ソニーNEX-5)を所有しているため、便利。

4 ハーフ判でもそこまで荒れない。

5 ハイライト、シャドーが結構ネバリ、白飛び、黒つぶれしにくい。

6 国内企業のフジフィルム製!

7 海外用の「逆輸入」という言葉に感じるロマン。

 

 しかし、どうやら生産が中止されたらしいとの話を聞き、買おうと思ったもののすでに店頭になく、代わりに店頭にあったコダックカラープラスという、ISO200、135判36枚撮りのカラーネガフィルムを購入しました。一本693円。

 フジカラーC200のメリットのうち、1は薄れ、6は米国製となりました。しかし、「米国製」の工業製品、私はあまり使用した覚えがありません。車もバイクも国産だし、カメラも持っておりません。

 もう一種類、コダックゴールドという、ISO200、135判36枚撮りのカラーネガフィルムも購入しました。一本590円。こちらはネット通販です。

 

 コダックの2種類のフィルムの内容が同じか異なるかはわかりませんが、ISO200が世界で最もよく売れているのでしょう。偶然にも、私が一番使用したであろうフィルムも、コニカミノルタのSINBI 200というISO200のカラーリバーサルフィルムでした。

 私が大好きな写真家さん「内田ユキオ」さんが、

「フィルムとはボールペンのよう。ボールペンで文章の中身がよくなるわけではないけれども、書きやすいボールペンであれば気分がいいし、字がうまくなった気がする。字が綺麗であれば見ていると気持ちがいい。」

という内容のことをエッセイで書かれていました(ずいぶん前に読んだことなので、言い回しまでは覚えておりません)。

 どうしても、需要と供給のバランスから以前より高額になったとはいえ、今でも、海外製を含めると、複数のフィルムを購入することができます。

 今回、フジカラーC200がなくなってしまったことで、私は新しい「フィルム」を探すことになりますが、まずは字を書くためにボールペンを買うように、皆様もフィルム写真を撮るために「フィルム」と「カメラ」を手に入れてみてはいかがですか。

カメラの話(個別第十六回) ペンタックスK1000(第二世代)

 さて。

 

 ようやく一本目のフィルムを撮り終えました、「娘のカメラ」、ペンタックスK1000です。

(参考) film-camera-challenge.hatenablog.com

 

 カメラ紹介の記事を書くのもずいぶんと間隔が開いてしまいました。その間、何も買っていないかというとそういうわけでもないのですが、そのまま通り過ぎて行ったものも多くあり、書くことには至れなかったのです。

 

 今回入手しましたK1000ですが、非常にシンプルなカメラです。機械式、布幕横走り式シャッターで、電池がなくても(露出計は動かないけれども)撮影可能なタフガイです。

f:id:film-camera-challenge:20200822230931j:plain

K1000正面

 前から見ると、あるのはレンズ取り外しボタンと、シンクロターミナルのみ。はて、このカメラでシンクロターミナルを必要とする人がどれくらいいらっしゃるのでしょうか。

f:id:film-camera-challenge:20200822230940j:plain

K1000上面

 上から見ても、フィルム枚数表示付きの巻き上げレバー、シャッタースピードダイヤル、シャッターボタン、フィルム感度設定ダイヤル付きのシャッタースピードダイヤル、左側に巻き戻しクランクのみ。ストロボのシューはX接点がありますので、汎用品のストロボ(フラッシュ、スピードライト)を取り付けるだけで発光します。た

f:id:film-camera-challenge:20200822231001j:plain

K1000背面


 背面には全く何にもなし。

 非常にシンプルです。何も悩むことはありません。フィルム装填時に感度を合わせて、撮影時にはピント、絞り、シャッタースピードを合わせてシャッターボタンを押すだけ。悩む要素もありません。

 

 残念なのは、ファインダーです。兄弟機の上位機種であるKXと比べて、圧倒的にファインダーが暗く、青味がかかっています。そのため、ピント合わせが難しいです。これは、KXは銀蒸着、K1000(KMも)はアルミ蒸着のための様です。

 

 ペンタックスK1000をまとめますと、このようになりました。

f:id:film-camera-challenge:20200822232221j:plain


携帯性は、大振りなので2点減点。しかし、重さはあまり感じません。

デザインは、シンプルでありながら堂々としており、(価格を考えると十分に)満点。

質感は、大振りのわりに軽く、持った時に違和感があるので2点減点。K1000でも前期型である本機は外装が金属製ですが、後期型になると外装がプラスチック製になっていたようです。プラスチック製のものはより軽いとの情報もあるため、後期型はさらに質感は低いかもしれません。

操作感は、巻き上げ、シャッターの感触は良いのだが、絞り、シャッタースピード共にファインダー内で確認できず、軍艦部やレンズを確認する必要があるので2点減点。

ファインダーは、暗く、見えにくく、操作感とも重複しますが、非常に機能的とは言い難いため、3点減点。

入手のしやすさは、20世紀末まで新品販売されていたもののすでにそれから20年経過し、安物機種の宿命か、保存状態が悪いものが多く、良いものはなかなか入手しづらいため、3点減点。

堅牢・修理は、大ヒット機のペンタックスSPシリーズとシャッターの構造は似通っていると思われることから中古パーツも多くあると見込まれ、町の修理屋さんでほとんどの修理が可能と見込まれることから1点減点。

システム力は、Kマウントのレンズはもちろん、アダプターでそれ以前のM42マウントのものも全く差し支えなく使用できるが、本体に拡張性がないため1点減点。

 

 初めてのマニュアルフォーカス一眼レフカメラには非常に向いていると思いますが、欠点は、ファインダーの悪さですね。少々絞り込んで撮影するということであれば問題ないのでしょうが、F2程度でも暗く感じ、屋内でのピント合わせはかなり困難です。

 いつか、ジャンク品ペンタックスSP等からペンタプリズムがトレードできれば良いな、と思ってしまいます。

 しかし、良いものがあれば、また、適正価格であれば、使い勝手の良い、使いつぶすまで使えるであろう、シンプルで良いカメラですよ。

初めての巻き上げアクセサリー

 さて。

 本日、初めて、巻き上げアクセサリーを購入しました。購入したものは、ペンタックスLX用のワインダーLXです。

 (参考)

film-camera-challenge.hatenablog.com

 

 実は、今まで、巻き上げアクセサリー、いわゆるモータードライブやワインダーと呼ばれるものを購入したことがありませんでした。その理由は以下のためです。

1 もともと、ニコンF3からカメラを使い始めたが、そのモータードライブMD-4は、大きく、また、単三乾電池8本を必要として重かった。徒歩、自転車しか交通手段がない期間が長かったので、重い機材は欲しくなかった。

2 最高6コマ/秒(ミラーアップかつ専用電池を使用した場合)で撮影できても、それだけのフィルム代が捻出できるほどの余裕がなく、連写を必要とする撮影もしていなかった。

3 本当に自動巻き上げが必要な場合には、ニコンF4やF90XSを持っていたのでそれで対応できた。

4 F3で撮影するときは、手で巻き上げるのが好きだった。

 

 本日、ワインダーLXを購入したのは、過去の記憶のニコンMD-4と比べてずっと小さく軽く、電源も単三乾電池4本で、2コマ/秒のおっとりとしたスピード、持っているペンタックスKマウントカメラはいずれも手巻き上げのマニュアルフォーカスカメラのみ。上記の巻き上げ装置を買わなかった理由いずれにも合致しておりません。であれば、買わない理由はありません。

 

 私の所有するLXは約20年前に購入した際にオーバーホールをしました。LXの底面にはワインダーやモータードライブで巻き上げ、巻き戻しをする際に使用するコネクション部分があり、それぞれネジ式の蓋がされています。今回、初めて、その蓋を開き、購入したてのワインダーLXを装着してみました。

 

 ワインダーLXの秒間2コマは軽快で、巻き上げをしないことによりホールでイングも崩れず、連写をする、しないに関わらず安定して撮影できそうである(今日はフィルムを入れない室内での試し切りでしたので)、ということがわかりました。平たく言うと、大満足、どうして今まで持って(買って)いなかったのだろうと思うほどです。

 

 そういえば、ずいぶん昔に、個人のカメラがお好きな方のホームページで、「ニコンF3用のワインダーがあればいいのに」という記事を見たことがありました。ニコンは、私の知る限りでは、1970年代のニコマートELW、ニコンEL2用のものがあっただけで、他のフィルム巻き上げ装置はモータードライブでした。本当に今更ながらですが、ニコンF3にワインダーがあれば、より楽しいカメラになったと、今なら思えます。

断捨離カメラ

 さて。

 まず、カメラを断捨離したわけではございません。なにせ、この間、防湿庫を増設したほどですので。

 (参考)

film-camera-challenge.hatenablog.com

 残念ながら、修理を依頼したハッセルブラッドのフィルムマガジンは未だ修理が完了せず、手元に戻ってきておりません。

(参考) 

film-camera-challenge.hatenablog.com

 

 私はフレーミングの確実性、システムの拡張性から、一眼レフカメラを好んで使っております。所有する一眼レフカメラでないカメラは、ローライ35S、ニコノス5、フジカGW690Ⅲくらいでしょうか。

 ニコノス5は水中カメラで非常に特殊なものです。

(参考)

film-camera-challenge.hatenablog.com

 フジカGW690Ⅲは6cm×9cmの、我が家では最大のフォーマットの中判カメラです。

 

 というわけで、我が家で最も普通の一眼レフカメラではないカメラは、ローライ35Sです。

(参考) 

film-camera-challenge.hatenablog.com

 

 ローライ35Sは、ファイダーはありますが距離を測る装置はなく、ピント合わせは目測、つまり、勘と経験で、被写体までの距離を目で測り、その距離を設定、撮影します。露出計は付いておりますので、ある程度それを目安にして絞り値、シャッタースピードを設定します。

 

 今回、私はさらなる機能を削減したカメラを入手しました。

 

 それは、オリンパスペンSです。

 ピント合わせは目測、露出計もないので露出も勘。これ以上ない、シンプルなカメラです。そして、撮影は一般的な135判フィルムを使うものの、そのフォーマットはハーフサイズ、つまり、通常の1/2の面積で撮影します。そのため、36枚撮りフィルムでは72枚撮影できるため、近所で撮影をする程度であれば、予備のフィルムも不要、カメラ本体だけでプラっと外出できる、最小の断捨離カメラです。

 

 問題は、一眼レフでのピント合わせと、内蔵露出計や外部露出計に慣れちゃっていて、勘がろくすっぽ働かないので、まともに撮影できているかどうか、なのですが。

 

 

 

娘のカメラ

 さて。

 私には今年小学一年生になった娘がいるのですが、最近、やけに私の真似をしたがります。雨の間をくぐって写真を撮りに行こうとすると付いてくるし、数日に一回、将棋をしようと言ってきます。

 娘が3歳のころ、サンタさんがクリスマスプレゼントに、ニコンデジタルカメラを持ってきてくれました。

https://www.nikon-image.com/products/compact/lineup/w100/

 お出かけのたびに結構持ち歩いており、しかし、動画を撮ることが多いのでほぼ静止画はありませんが、まだまだ使えそうなものの、若干くたびれても来ました。

 先日来、ハッセルブラッドを撫でまわしている私を見て、「カメラが欲しい」と言い出しました。娘の希望を聞いてみると、我が家で最も古いクラスの、ハーフサイズ一眼レフカメラオリンパスPEN-FV」でした。

(参考) 

film-camera-challenge.hatenablog.com

 

 PEN-FVは、私も大変気に入っているものの、露出計は外付けで、ファインダーは暗く、システムの絶版から久しいために交換レンズの入手にも難儀するカメラです。アダプターでオリンパスOMレンズが装着できるようにしているものの、OMレンズを装着すると今度は外付けの露出計がつけられません。

 

 現在、私の所有する一眼レフシステムのうち、レンズが一揃えそろっているマウントは、ニコンF、ミノルタSR、オリンパスOM、M42です。デジタル一眼レフカメラニコンしか持っていないため、主軸はニコンになりつつあります。

 ニコンフィルムカメラのうち、故障リスクが低く、入手がしやすいものとして、FM10があります。どうやら昨年、生産中止になったようです。

https://www.nikon-image.com/products/slr/lineup/fm10/

 当初、このカメラを買おうと思っておりました。しかし、外装も内張もプラスチック製で、シャッターはユニットの縦走りシャッター、機械式カメラとはいえ、とても頑丈とは言えそうもないことに不満がありました。

 

 私が娘に用意したカメラは、ペンタックスK1000です。ペンタックスKシリーズカメラの末弟で、私の超お気に入りのKXの弟分に当たります。海外向けには1976年から、国内向けには1986年に発売されたカメラです。機械式シャッターであることから天体写真家に愛用され、20世紀末まで新品が流通しておりました。ベースとなったのは1960年代にヒットしたペンタックスSPの系統と言われており、布幕横走り式の非常にオーソドックスなカメラです。

(参考) 

film-camera-challenge.hatenablog.com

 

 さらに、私が入手したものは、前期型で金属外装の日本製もの。カメラとしての風格を十分に持っております。

 

 K1000で不満な点はただ一つ、絞り込み(プレビュー)機能がないことです。これがないため、せっかくの一眼レフカメラでありながら、レンズを絞り開放状態で撮影する場合を除いては、被写体深度、すなわち、ピントが合っている~ボケている範囲がわかりません。ペンタックスME-Superにもこの機能がないため、ペンタックスはあまり重要視していなかったのかもしれません。

(参考) 

film-camera-challenge.hatenablog.com

 

 ペンタックスKマウントレンズは、大口径の評判のよいレンズを多く持っておりましたが、軍縮計画と緊縮財政の中、その多くを手放してしまい、今、手元に残っているのはA50mmF1.2(LXにつけっぱなし)と、FA100mmF2.8マクロ(無愛想な外観ながら、めちゃくちゃボケ味や発色がよく手放せない)、A50mmF2(ME-superにつけっぱなし)の3本しかありません。

 しかし、SMCタクマー時代のM42マウントレンズは、17mmF4魚眼から200mmF4まで、一そろえありますし、おそロシア製の変なレンズもありますから、それらをアダプターで装着すれば、大体のレンズの雰囲気程度はわかることでしょう。

 

 何より良かったのは、娘が「ホンマもののカメラだ!」と喜んでくれたこと。しばらくの間は空シャッターを切らせてみて、「ピントを合わせる」「露出を合わせる」ことが理解できたら、フィルムを詰めて自由に撮らせてみたいと思います。